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おおぐし じゅんじ

大串 潤児

日本史 准教授

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サークル誌をもとめて

サークル誌をもとめて-08年・盛夏・岩手盛岡

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夕暮れの北上川。

今回の調査は、三上信夫さん(故人)が1960年に創刊された生活記録文集『働く母』(のちに『おんな』と改題)をはじめ関係の史料を閲覧させて もらうこと、また創刊号(1960年)から発行された最後の第64号(1999年)までの複製版作成について打合せのためでした。三上信夫さんは中学校教 師をつとめた後、へき地社会教育の主事として「文字も書けない」山村の「お母さんたち」と生活記録文集をともに作ってこられた方です。『埋もれた母の記 録』(未来社1965年)が代表的なものですが、近年では「戦争」に視点をむけ『忘れ得ぬ歳月〝戦争〟』(文芸社2001年)をまとめられました。

7月1~2日は、多くの時間を県立図書館で過ごしました。戦中からの同人誌などに目を通し(例えば岩手県翼賛文化協会文藝部機関誌『岩手文学』)やサークル・生活記録運動の論文が多く掲載されている岩手県教育研究所『月刊 岩手教育』などが有益でした。
郷土資料の棚で見つけた貴重な文献の収集でも多くの方に御世話になりました。特に、岩手における原水爆禁止運動の歴史をつづった上田仲雄『核兵器全面禁 止の日まで』(1985年)の入手には岩手県原水協の津村さん、盛岡労演時代からの歴史をつづった『盛岡・演劇鑑賞運動 1957-1998』(2000 年)の入手には盛岡演劇鑑賞会の穀蔵さんに大変御世話になりました。また、三陸沿岸宮古の映画史の著作がある鬼山親芳さんにはわざわざ御本『宮古の映画館 物語』(2002年)をおくって戴きました。

2日の夕刻、岩手大学の今野日出晴さんと待ち合わせて夕食をするため県立図書館から散歩がてら市内に向かいました。途中、「石川啄木 新婚の家」や、北のモダン都市文化を象徴するようないくつかの建物を見ることができました。

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啄木新婚の家。

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盛岡市内・ライト写真館。


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ライト写真館・玄関先。

北上・和賀そして『岩手の保健』、生活記録運動のなかで牧瀬菊枝らと出会うことで地域の女性たちは戦争についての意識を深めてきました。その一方、戦争の「加害」の問題がどれだけ具体的に明らかとなってきたかは再検討する必要があるでしょう。
盛岡から東京に帰る車中で読んだ加藤昭雄さんの著作・『東京大空襲の夜 B29墜落の謎と東北空襲』(本の森、2008年)や『後藤野』(「後藤野」を刊行する会1995年)で考えさせられたことでもあります。

※今回の調査には文科省科学研究費「戦後における「母」の表象の基礎的研究」の補助を受けた。

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