教員紹介

おおぐし じゅんじ

大串 潤児

歴史学 教授

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こんなことしています(研究)

戦争をどう表象するか?-08年・初夏・金沢

朝の金沢城

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2008年4月29日、東京でとある研究会に出席したのち、夜遅くの列車で金沢を目指しました。越後湯沢で新幹線から「はくたか」に乗り継いで、直江津・富山・高岡とすぎ金沢についた頃は日付がかわっていました。
今回の調査は国立歴史民俗博物館の共同研究「20世紀における戦争Ⅱ」にかかわって、また個人的にも一度はじっくりと勉強してみたいと思っていたテーマ である「地方都市モダニズムと戦争」について基本的な調査をすることが目的でした。具体的には、刺激的な企画展「昭和モダン  1920~1940」(1989年)を企画した本康宏史さんと逢いお話しをうかがうことと、山口昌男『挫折の昭和史』(岩波書店)でも紹介されており、 「昭和モダン」展でも展示された1930年代金沢の「タウン誌」(現在ふうにいうと)『モダン金沢』を見るためでした。

4月30日。金沢はぬけるような青空で、汗ばむくらいの陽気です。早朝より金沢城を散歩しつつ、石川県立歴史博物館に本康宏史さんを訪ねました。

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石川県立歴史博物館-たてものは旧金沢第九師団兵器庫の赤レンガ建築。

この日は、モダン都市金沢および金沢地域史研究の状況について本康さんから丁寧な説明を聞き、石川県立歴史博物館所蔵の関連コレクションの概要を 視察させていただきました。その他、本康さんの提案で、「伊藤進文書」や宮本又久さんが収集した金沢・石川に関する文藝雑誌のコレクションを調査させて戴 きました。

心地よい疲れとともに県立歴史博物館をあとにし、兼六園の近くにある第九師団司令部庁舎などをみながらこの日の宿に着きました。

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第九師団司令部庁舎。


5月1日、メーデーの準備で多くの幟がひるがえる県庁・市役所前をぬけて県立歴史博物館へ。昨日に引きつづいて雑誌『モダン金沢』『観光の金沢』などを閲覧。

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『モダン金沢』。


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『観光の金沢』。


正午にすぎにはお世話になった博物館をあとにし、石川県立図書館に向かいました。

途中、開館になったばかりの「石川県近代文学館」「石川四高記念館」を見学。軍都であると当時に、学都でもある金沢に思いをはせ、金沢モダンの担い手(学生と都市社会)など刺激的な展示に啓発されました。

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石川四高記念館


石川県立図書館では、すでに北河賢三編『資料・総力戦と文化 1 大政翼賛会文化部と翼賛文化運動』(2000年)でも紹介されている、石川県石川郡富奥村長・大政翼賛会県支部協力会議員であった中島栄治氏が残した史料群「まめがら文庫」を調査しました。
翼賛会関係資料はもとより、1934年創刊から1944年まで続いた村報「富奥」が重要な記録でした。『野々市町史』でも叙述に活かされておりました。
市役所近くの『モダン金沢』発行者・鞍信一さんが経営されていた喫茶店(金沢喫茶村)の跡地(現在は駐輪場になっている)を通り、宿に戻りました。夜は、これまでの史料整理をして寝たのは深夜となりました。

5月2日、早朝から香林坊を散策し、そのまま石川県立図書館に向かいます。昨日に続いて「まめがら文庫」を調査、関連する文献をCOPYしたりと忙しい時間を過ごしました。
正午すぎ、近江町市場で実家と親戚におみやげを、さらに東茶屋を訪ねて、午後2時すぎの特急「はくたか」にて越後湯沢へ、そのまま帰路につきました。

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