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おおぐし じゅんじ

大串 潤児

歴史学 教授

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春の沖縄紀行-20世紀における戦争Ⅱ

春の沖縄紀行-20世紀における戦争Ⅱ


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県立博物館まえにてメンバーの記念写真。

2008年3月5日。会議を中座していそいで「あずさ」にとびのりました。羽田に着いたのは19:30。フライトは20:25でした。
眼下に関東平野の夜景をみながら一路、那覇を目指しての旅です。

2008年3月6日。嘉手納の「道の駅」にて屋嘉比収さんと合流。今回も沖縄県内の地域博物館を訪問し、主に「戦争表象」「地域文化表象」のあり かたを検討するのが趣旨です。一月まえにゼミ合宿で沖縄にきたときはくもり勝ちのまだ肌寒い季節でしたが、今回は、ぬけるような青空が広がる暖かい気候に なっていました。

「道の駅・嘉手納」に付設されている小さな博物館を見学、屋上からは嘉手納基地が望めます。厚木・横田などの基地と比較していかに嘉手納が巨大で あるかをわかりやすく展示していたり、軍用機の爆音を聞くことができたり、嘉手納町の模型からは嘉手納のまちの極端な「狭さ」(もちろん嘉手納基地の存在 による)が手にとるように分かるものでした。
男性のみのエイサーとして著名な「千原エイサー」も、いつかは基地のなかに囲い込まれてしまった「聖なる場所」で行いたい、と町の人が述べたことばが印象的でした。

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「道の駅・かでな」より嘉手納基地を望む。手前は「安保の見える丘」の修学旅行生。

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サツマイモを琉球に伝えたとされる野国総管の墓所。


嘉手納の町では野国総管の墓所(つい先ごろまで米軍専用のビーチのなかにあった)、中央公民館にある民俗資料館を見学しました。民俗資料館に向かう途中、比謝川河岸にある特攻艇を隠す壕を見ることができました。

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比謝川河岸の特攻艇秘匿壕。近く読谷村側には「米軍上陸の地」碑。

午後は宜野湾市に向う。宜野湾市立博物館の展示は、戦前には天然記念物に指定されていた「宜野湾並松」(米軍によって伐採される)や伊佐浜の土地闘争関係の展示が印象的。
その他、嘉数の高地、浦添市美術館を訪問しました。


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宜野湾市市立博物館。

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嘉数の高地。「嘉数の碑」「京都の碑」がある。

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建物のデザインが印象的な浦添市美術館。琉球漆器の特別展をしていました。

16:00からは沖縄大学にて教科書検定問題をめぐる研究報告。私が報告をしました。鳥山淳さんも参加してくれました。この日の夜は、おもろ新都 心の居酒屋(舞天)にて、『沖縄、イメージの縁』(未来社)の筆者、仲里効さんもかけつけ、沖縄における文化や表象の問題をめぐって大いに盛り上がりまし た。

3月7日。県立博物館を見学。なかまと別れ、私は那覇市歴史博物館を訪ねました。特別展のため、通常の那覇の歴史に関する展示が行われていなかっ たのは残念でした。1920-30年代、総じて1944年10・10空襲前の「都市としての那覇」を勉強することが出来ると思っていたのですが。

京都・立命館で開催される同時代史学会関西研究会に出るため、17:55の伊丹行きの飛行機にて沖縄を後にしました。

教科書叙述をめぐる議論、文化・映像などの表象の問題、多くを考えさせられた調査旅行でした。

 

 

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