教員紹介

もりやま しんや

護山 真也

哲学・芸術論 教授

教員 BLOG

一覧を見る

比較思想学会40周年記念大会

会員でありながら、なかなか参加することのできなかった比較思想学会にようやく参加することができました。しかも、40周年記念大会ということで、魅力的なプログラムが組まれています。

プログラム(一部抜粋)

6月15日(土) 基調講演「日本における比較思想の系譜」(伊藤俊太郎) 第1セクション「中村元と比較思想」 ゲスト講演「彼方なる世界としての「東洋」――中村元と井筒俊彦」(若松英輔) 6月16日(日) 第2セクション「思想の社会的責任」 ゲスト講演「「赦しを乞う」国家について」(高橋哲哉) 第3セクション「生命/科学/宗教」 ゲスト講演「死者/ペルソナ/他我」(森岡正博)

感想

都合により、初日のみの参加でしたが、伊藤先生、若松先生の講演、そしてそれに先立つ末木文美士会長の講演に刺激を与えられました。特に若松先生の講演では、中村元と井筒俊彦という比較思想を代表する二人の巨人が「東洋」という理念をどのように捉えていたのか、が論じられました。1969年の第五回東西哲学者会議で少なくとも面識があったはずの二人は、その後、微妙に重なり合いながらも、ことなる道筋でそれぞれの思索を深めていきます。井筒の方がかなり意識的に中村の仕事に目を向けていたようですが、一方の中村はあえて井筒の名前を出すことはなかった、という点は面白かったですね。  この二人には、人間精神の奥で通底する何かを探求しながら、文化や言語の「枠組み」の限界に向き合い続けた井筒、それに対して、「普遍思想の夢」を抱きながら、人類の精神史を鳥瞰しようとした中村、という方法上の対立があったはずです。今回の学会テーマである「比較思想の新たなる射程」を考えるために、今一度、この二人の思想家がとった方法論上の違いを考え直す必要がありそうです。  信州大学からは丸山孝雄先生、坂部明先生が参加されてました。お二人ともお元気そうでなによりでした。

トップページ 教員紹介 護山 真也 ブログ 比較思想学会40周年記念大会

ページの先頭へもどる