教員紹介

いとう つくす

伊藤 尽

英米言語文化 教授

教員 BLOG

一覧を見る
Tolkien 研究

エルフ語講座 in 信州

11月20~21日に、白馬のペンション Tomato を借り切って、リヴンデル之賢人会議が主催する『エルフ語講座 信州合宿編」なる催しに講師として招かれました。

以 前、トールキンのファンの集まり「白の乗手」が主宰するエルフ語講座を渋谷で行いましたが、その時に参加して下さった方々に、先ず優先的にご案内を配り、 さらに一般の方々への告知をして、定員32名という限られた人数を募集しました。そもそも、この企画は、僕が信州大学に就任したことをきっかけとして、 せっかく信州に職場を移したのだから、長野県内の温泉地で泊まりがけで勉強会をしようではないか、という何気ない発想から生まれた企画なので、当初、僕個 人としては5,6名のこじんまりとした勉強会を考えていたのですが、あっという間に応募された方の人数が定員に達したという嬉しい驚きを主催者から聞かさ れた次第です。

今回は、偶然ながら、トールキンに関する世界的年刊専門研究論文集Tolkien Studiesに、慶應義塾の辺見葉子先生が取り上げられたエルフ語Sindarinへの論考が日本人として初めて掲載された直後なものですから、これを日本人のトールキン・ファンに紹介しないではいられない!と思い、僭越ながら、後輩として日本のトールキン・ファンに紹介をさせて戴きました。


いずれにしても、会は盛況。講座もひととおり終わり、いつもどおり、Aさんに鋭い質問を講義の後に頂きました。そこで、トールキンのエルフ語研究者であり、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の英語版(つまりオリジナル)でのエルフ語監修を行ったDavid Saloの本を参照した僕の講義へと疑義を頂戴し、Saloの本の誤りについて御指摘を受けました。その結果、彼の解釈の不適切な部分が明らかになり、その点について、もう少し検討が必要なことが判明しました。これもエルフ語講座を行うことができた実りです。

講義のあとは、食事。ホビットにしても、エルフにしても美味しい食事が好きです。ペンション Tomatoの料理はどれもみな美味しく、健啖家なるトールキン・ファンの皆さんも至極ご満悦の様子でした。合間合間に私への質問がありました中で、いよいよ楽士たちの活躍の時間。私も久しぶりにたくさん打楽器を演奏し、手が真っ赤に腫れました。やはり練習の不足分はこうしたところに跳ね返るものですね。

いずれにしても、翌日も、エルフ語に関する御質問タイムを設けまして、非常に示唆に富む質問を受けました。それらの一部は学会発表などで活かされるはずです。
そして、今回の一泊二日の合宿は、幸運にも晴天に恵まれ、白馬の山並みを堪能出来ました。何よりも、それが嬉しかったです。
ペンションを含む白馬村の麓から見る北アルプスの連峰は、赤角山のカラズラスを思わせる嶮しい山です。都会からやって来られたエルフの方々に、自分たちの真の姿を思い出して頂けただけでも、この合宿を行った甲斐がありました。

トップページ 教員紹介 伊藤 尽 ブログ エルフ語講座 in 信州

ページの先頭へもどる