教員紹介

いとう つくす

伊藤 尽

英米言語文化 教授

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The Elfin KnightとChild Ballads

前回から、渋谷のカルチャースクールでは講座が新しくトールキンの未邦訳作品を読むものにかわりました。

講座が終わって、いつも近くのブリティッシュ・パブに集まって、エールやフィッシュ・アンド・チップスを囲みながら、いろいろな話をします。
トールキンのことや、イギリスのこと、中世のヨーロッパのこと、旅行のこと、ネットゲームのこと・・・

生徒のお一人に、CDを紹介されました。
Joel Frederiksenという北欧の名前を持つリュート奏者の作品。
その名も'The Elfin Knight'. かっこいいですね。

中身はバラッドの演奏と歌です。

たとえば、1曲目のは、サイモン・アンド・ガーファンクルで有名な「スカボロー・フェア」の別バージョンです。メロディーも歌詞も少しずつ違っております。
バラッド研究者Francis James Child (1825-96)の編纂したバラッド全集では、2番 'The Elfin Knight' として収録されている幾つものバラッドの1つ。そもそもChildの分類で、この'The Elfin Knight'は要するにScaborough Faireのヴァリエーションのことなのですね(いや、より正確には、Scaborough Faireが、The Elfin Knightのヴァリエーションか)。

ここで、ではChildのバラッド全集で確かめようとしたら、大学の図書館にはこれが入っていないということに気が付きました。これはいかん! 早速購入希望を出さなくては(笑)。学生諸君がChildのバラッド全集を知らないようではいかんですよね。

それにしても、こういうのをさりげなく普段から愛聴しているような方々がたくさんカルチャースクールには集まっていますから、講師としてはとても刺激になります。

最近、Childのバラッド全集が再版されたり(つまり安く手に入りやすくなった)、再編されたりしているという情報も得ました。これは迷うところですが、再版された昔のバラッド全集を買うか、まだ完結はしていないけれど、新しい刊本を買うべきか・・・。
もちろん、研究に必要なのは、たとえ訂正前であろうと、全部そろっている方ですから、旧版の再販をまずは買うことにしましょうか。

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