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はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・思想論 教授

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哲学関係

西田幾多郎の石碑

8月2日に安曇野市豊科にある信濃教育会生涯学習センターで講演会があるということを「市民タイムス」で知りました。演目は「西田幾多郎の書」、講師は京都大学の藤田正勝先生です。あの「哲学のヒント」(岩波新書)の著者の話なら面白くないはずはないと思い、聞きに行って参りました(実際、とても興味深くためになる講演でした)。 それ以外にも強い動機がありまして、それは、会場が信濃教育会生涯学習センターであったということです。確かあそこには西田幾多郎が揮毫した石碑があったはず・・・という薄い記憶を頼りに車を走らせました。

その石碑は、旧南安曇郡高家村にあった高家小学校教育記念碑です。見に行かなきゃなあとずっと思っておりましたが、実際に行ってみると、買い物でしばしば通る(通らされる)道からすぐ近くにあって驚きました(「ずっと思って」いた割には、「高家」を「たきべ」と読むということも、その日になって始めて知りました。恥ずかしい限りです)。地元の方々の教育にかける熱い思いがこういう石碑となって結晶し、今にもそれが残されているということに感銘を受けました。藤田先生のご講演でもこの石碑について何度も言及されていましたが、これは「無事於心無心於事」という禅語で、これを西田は「物となつて考へ物となつて行ふ」という日本語で表現したそうです。こういう解釈でよいのか、多少の疑問がないわけではありませんが、これ以上に巧みな日本語訳は、私には思いつけそうもありません。

信濃教育会生涯学習センターには、石碑以外にも、「心月孤円 光呑万象」とか「廬山烟雨浙江潮」とかいった西田の遺墨が所蔵されているようで、当日それらを見せていただくことができました。書の良し悪しを判断する能力は私にはありませんが(謙遜ではありません。中学国語の教員免許を取るために大学時代に取った書道の授業で、書いた字を友人たちに思いっきり笑われました・・・)、今さらながら西田と禅の強い結びつきが実感できた、よい機会となりました。

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