教員紹介

はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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授業関係

ゆるむこと

先生は言った、「間違いはね、とっとと改めたらいいんですよ!」

講義の終わりに、毎回、コメントを書いてもらっている。私自身の説明能力の低下(老衰?)もあるだろうし、学生さんたちの聞き取り能力の低下(ゆとり教育の弊害?)もあるのだろうが、「そんなこと、わたし、言ってませーん!!!」とつぶやきながらコメント用紙を読むことが、近年多くなってきた。もちろん、こちらが「どきっ」とするような鋭いコメントも時にあったりするから、読むのが楽しみではある。  「東洋思想概論Ⅱ」という授業では、高校「倫理」の教科書の一部をコピーして配付しているのだが、そこに書かれている内容を私が批判的に取り上げたことがあった。その日、こんなコメントがあった。「この講義に限らず、大学の授業を受けていると、高校までやってきたことがほぼ否定されるので、人生の基礎が緩むような気がする」と。うーん、偉いなあ・・・。恥ずかしながら、高校生で習ったことを「人生の基礎」だと考えたことも、大学でそれが否定されて「基礎が緩む」と感じたことも、私には無かった。「いい加減なことは言えないなあ」と(言っているつもりはないが、それでも)身の引き締まる思いがした。  ただ、「人生の基礎が緩む」って、かなり喜ばしいことなのではないか、と思ったりもする。それまで「絶対」「確実」だと思っていたことを少し緩ませて、どこまで「あそび」の部分を確保できるかを確認したうえで再調整していけば、より柔軟性と持続性とをもった「人生の基礎」になっていくことだろう。まさにそれは、大学時代にしかできないことだ。ブルーハーツの「情熱の薔薇」という曲は、こんな歌詞で始まっている。      永遠なのか本当か      時の流れは続くのか      いつまで経っても変わらない      そんなものあるだろうか      見てきたものや聞いたこと      今まで覚えた全部      でたらめだったら面白い      そんな気持ち分かるでしょう

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