教員紹介

はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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中国関係 寧波プロジェクト

万氏別第

「ネッ ト情報を鵜呑みにしてはいけません」と常日ごろ学生にはうるさく言っているのだが、この夏の調査は事前にネット情報を収集してから臨んだ。調査地点がマニ アックになり過ぎて、市販の地図では対処しきれなくなってきたからだ。収集したネット情報の一つに「万斯同の蔵書楼である<寒松斎>の故跡が寧波市尚書街 58号にある」というものがあった。眉に唾をつけつつ、探してみた。

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この建物が怪しいなと思いつつ、入り口が見当たらない。ぐるっと廻ってみると、通行量は多いが非常に細い路地裏があった。思い切って入ってみると、どうも一般の民家である。だが、やはり、どう見てもただの通行人風情の方々がふつうに中を歩いている。もっと奥に入ってみた。

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行き止まりがどうもそれっぽい。洗い物か何かをしているおじさんの目を気にしつつ、もっと入ってみた。

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「おお、<万氏別第>と書いてあるものの、これこそ<寒松斎>蔵書楼跡地に違いない」と感動した。その後、別の細い路地というか他人の庭先(通行人 風情の人がその辺から出て来たので)を突っ切ってみると、一枚目の写真の通りにいきなり戻った。とつぜん何世紀かをタイムスリップしたような感じだった (タイムスリップしたことがないので正確には分からないが)。

ちなみに、その日の夕方、知り合いの中国人の老先生に自慢げに報告したところ、「寒松斎がそこにあったはずがない。万斯同の甥っ子の別宅だったのでは?」とのこと。何事にも先達はあらまほしきことかな。やはりネット情報を鵜呑みにしてはいけない。

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