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はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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中国関係 寧波プロジェクト

万斯同の墓

〔朝晩の冷え込みが厳しくなってきた今日この頃ですが、真夏に行った現地調査の報告を今更ながらさせていただきます。しかも、毎度のことながら、非常にマイナーなネタで申し訳ございません。〕

万斯同(1638-1702)は、清初の歴史学者。布衣(官位のない庶人)の身で『明史』編纂に参画したことで有名である。彼の墓を実見すべく、寧 波市奉化の蒓湖鎮に行った。行って始めて知ったのだが、昨年、この墓が「全国重点文物保護単位」に指定されたため、地元が盛り上がっているらしい。

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指定を受けてから最初に蒓湖鎮を訪れた外国人研究者の一団ということで、鎮政府の偉い方々から蒓湖鎮に関する詳細な説明をお聞きする機会にめぐまれた。鎮政府の方の話によれば、いま全力で墓及びその周辺の整備に取り組んでいるとのことである。

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整備が進めば、墓の真ん前を陣取っているこの豚小屋も撤去されることだろう。さよなら、豚さん!

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豚さんの行く末を案じつつ、お墓を見て回った。実地検分の最後に、案内をしてくださっていたF先生(寧波地区の思想家に関する研究で非常に有名な、 中国人の大先生)が「最後に、万斯同に対しきちんとお祈りをしよう!」とおっしゃたので、全員で整列して礼拝をした。思想家の墓を見て回る機会が増えてき て、こういう敬虔な感覚を失いつつある自らを反省するとともに、F先生の学問の基盤がうかがえたような気がして、少し嬉しかった。

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