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はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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中国関係 寧波プロジェクト

朱舜水

朱舜水(1600-1682)は、中国浙江省余姚の出身である。明の遺民で日本に亡命し、水戸光圀らとの交流を通じて日本文化に大きな影響を与えたので、ご存じの方も多いであろう。

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これは、余姚の朱舜水紀念館で撮った写真である。

朱舜水は、中国から三体の孔子像を携え持ってきて、自分のために尽力してくれた柳川藩儒の安東省庵にそれを与えた。その三体の孔子像は、様々な歴史 を経て、東京の湯島聖堂、福岡柳川の伝習館高校、そして安東省庵の子孫の方に、それぞれ一体ずつ引き継がれているという(この辺りの叙述は、自分で「現地 調査」したわけではなく、伝聞に基づく部分もありますので、ご注意ください)。

知り合いの中国人研究者が来日されたので、湯島聖堂にお連れし、東アジアの「孔子」受容について大いに語り合った。その際、写したのが下の写真である。

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「おお、この銅像が朱舜水の孔子像か!」と皆で感激したが、その後に行った文京区ふるさと歴史館(水戸藩邸についての特別展示をしていた)に行った ら、湯島聖堂の孔子像が展示してあった。どうも、こちらが「本物」のようだ。あらためて上の写真をよく見ると、銅像の下に孔子像の写真が置いてある。そち らが、朱舜水の持ってきた孔子像のようである。あやういところで、間違った知識を中国に輸出してしまうところであった。何でも、知ったかぶりはよくないと 反省した。

ちなみに、東京大学農学部の敷地内に「朱舜水先生終焉之地」の石碑があることを友人に教えてもらった。

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寧波のことは寧波だけ見ていても分からない、ということがよく分かった、東京での「現地調査」だった。

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