はやさか としひろ
早坂 俊廣
哲学・芸術論 教授
教員 BLOG
一覧を見る慈城鎮(2)
慈城鎮への道中(寧波駅前からタクシーを飛ばして30分。42元)、「慈城古鎮」という道路標識が気になってはいた。以前には無かったものだ。中国の本屋では、最近「古鎮游」のガイドブックが多く並んでいる。この国もレトロブームなのだ。
しかし、ここまでとは思わなかった。慈湖を見終わりマニアックな満足感にひたりつつ、ふと立ち寄った「県衙」で心底驚いた。唐代の慈渓県の役所跡がテーマパークのような形で「復元」されていたのだ。
さしずめ「お役人博物館」といったところか。下の写真のような歴史的な悪代官のオブジェもあれば、
良心的なお役人の仕事ぶりの展示もあった。
「万松書院」の頁に書いた感慨を、ここでも感じた。それとともに、悪代官を裁き良心派を称讃するこの博物館のコンセプトが、現代中国において有する政治的メッセージ性についても考えさせられた。