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はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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万松書院

「万松書院」とは、明の弘治11年(1498)に、現在の杭州市万松嶺に建てられた書院である。清の康煕10年(1671)に「太和書院」と改称 され、同55年(1716)には、康煕帝より賜った「浙水敷文」の額にちなんで「敷文書院」とさらに名を改めた。以後、「杭城四大書院」の筆頭に数えら れ、現浙江省区域の最高学府となった。2002年、杭州市人民政府は、明代式の旧制に従って原遺址上に書院を重建し、500年前の「名校」の風采を再現し た。(以上、馬時雍主編『万松書院』、杭州出版社2003年、を参照)
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以前の(でも、もう10年近く経っているのだが)この区画の状況を知っている人間からすると、信じられない風景が目の前にひろがっている。以前は、草木 の生い茂っているただの山だったところに、こんなきれいな書院が復元され、しかも思いのほか多い観光客でにぎわっているのだ。
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このような由緒正しい石碑とともに、下のような笑ってしまう石像まである。

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中国思想史をかじったものなら、誰でも知っている二程子(程顥・程頤兄弟)の石像だそうだ。周敦頤もあった。

それはともかく、さきほど「思いのほか多い観光客」と書いたが、その理由がやがて明らかになった。
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こんな素敵なパフォーマンスもあったのだ。

現代の「万松書院」は、観光地、テーマパークであった。このような伝統文化の発掘・復元の営みに敬意を表しつつも、現代の学問の徒として、ここからどうやって歴史的な世界を再構成・再表象していくべきか、しばし考えこんでしまった。

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