人文学部からのお知らせ

内容別夕べのセミナー

第71回 夕べのセミナー(人文学部公開講座)

信州大学人文学部では、第71回夕べのセミナー(人文学部公開講座)を下記の要領で開催いたします。みなさまのお越しをお待ちしております(入場無料・事前申し込み不要)。




【開催日】7月12日(火)


【時間】18:00~(19:30終了予定)


【開場】17:30より受付開始


【場所】信州大学人文学部・人文ホール(1階)


【講演題目】「200年前の南シナ海国際問題:跋扈する海賊とそれを利用するヤツら」


【講師】豊岡康史 准教授(東洋史分野)


著作:『海賊からみた清朝:18-19世紀の南シナ海』(藤原書店、2016年)


『東インド会社とアジアの海賊』(共著、勉誠出版、2015年)





19世紀初頭、清朝中国の南シナ海沿岸地域では、海賊行為の頻発が問題となっていました。
現在の日本では、ほとんど知られていません。ローカルでマイナーな話題に見えることでしょう。
しかし、この海賊問題の展開を仔細に見てゆくと、そこに当時の世界情勢が色濃く反映していることが分かります。

19世紀の海賊たちのなかには、のちに、あるディズニー映画に登場するキャラクターのもととなった人物がいました。実は、彼ら海賊たちは英語圏では全くマイナーな事柄というわけではないのです。なぜでしょうか。当時の海賊が有名である方が都合がよいと考える、あるイギリス人がいたからです。なぜそのような考えが生まれたのでしょうか。

当初、海賊たちは、ベトナムに拠点を置いて、清朝沿海で略奪をしていました。このことを清朝当局者たちは昔から知っていました。しかし、ずっと知らんぷりを決めてこんでいます。ところが、ある時、当時のベトナム政府を、海賊をかくまっているとして、突然批判しだします。なぜでしょうか。ヒトが怒ってみせるのは、だいたいなにかを誤魔化すときです。では、清朝にとってどのような都合の悪いことがあったのでしょうか。

明日へと命をつなぐために、少しでもいい生活をするために、群れを成して略奪に精を出す海賊たち。その海賊の存在を利用しようとする人々。様々な思惑が交錯する200年前の南シナ海の知られざるエピソードから、近代初頭の東アジア~世界の動きを考えます。



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