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山口啓介  炭素の船 1990年 (部分)

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分野紹介

社会学分野の教育理念と目標

社会学分野では、社会に関わるさまざまな問題に取り組むため、相互に関わる次の3点を習得してもらうことを目標としています。

第一には、社会学の基礎的な理論と経験社会学の分析手法についての教育を通して、地に足を据えた社会学的認識の方法を体得すること。
第二には、社会調査に関する体系的なカリキュラムを通して、社会調査のリテラシーを確実に身につけること。
第三には、長野県内および周辺地域における調査体験を通して、地域社会の実情と課題を直接に体験・実感し、知識を実践へと結びつける感覚を涵養すること。

以下では、これらについて説明します。

理論と方法

社会学は、19世紀後半に姿を現してきた市民社会の諸問題を実証的に研究する学問として成立しました。さまざまな学派はあるものの、社会学の諸理論は(その時々の)社会を対象とし、経験に基づいて構築されてきました。それらの理論には、その時代時代に特有の現象を説明しようとするものもあれば、あらゆる社会に普遍的な一般理論を指向するものもあります。
社会学分野では、蓄積されてきたさまざまな理論の中から主だったものについて「社会学概論」をはじめとした科目で体系的に学びます。それらは、みなさんが自ら考えて理論を構築するための拠り所となるはずです。

また、社会学にとって「経験」は理論構築のために重要ですが、そのために、経験を一定の基準に基づいて記録し、それを客観的に分析する方法を身につけなければなりません。
信州大学の社会学分野は、とりわけ科学的な社会学を指向しています。そのため、質的データであれ量的データであれ、それらを分析するために中級レベル程度の統計学の習得を目指します。

社会調査法

社会学分野では、「社会調査実習」をはじめとした社会調査法を身につけるための科目が充実しています。
2年生から3年生にかけての2年間は、講義と実習を交えて、また大学と調査地での学習を交えて、社会調査の方法論を身につけていきます。
わかりやすい質問紙の作り方、代表的なサンプルを取る方法といった基礎的なことから、理論を検証するためにはどのようなことを尋ねなければならないか、また、どのような統計分析を使うのか。説明する変数と説明される変数の間に自分の理論とは異なる理論が存在する可能性があるとすれば、それを質問紙や統計分析においてどのように統制するのかといった実践的なことまで、一通り学びます。

現地調査

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社会学の理論と方法や社会調査の技法を学んだとしても、実際に現実の社会においてそれらを使ってみることなしには、社会学の実践感覚を身につけることは難しいでしょう。
社会学分野では、2、3年次の2年間にわたって長野県内や周辺地域に実習に赴き、インタビューをしたり質問紙調査を行ったりしながら実地経験を積んでもらいます。
未知の地域社会に足を踏み入れると、これまでに思ってもみなかった生き方や考え方をしている人に出会ったり、同じ事柄に対して行政側と住民側では異なる捉え方をしていることが判明したり、人間関係や制度の縛りによって人間は不自由を強いられていることが理解できたりするものです。
このような経験を積んだり、興味深い問題を発見したりしながら、社会学分野での学びは、机上の論議を越えて実践に根差したより深いものになっていきます。

ここ数年の調査地とテーマは次のとおりです。
・05年度 穂高町(現安曇野市):地域活動・意識
・06年度 安曇野市:景観、観光調査
・07年度 安曇野市:市民意識調査
・08年度 青木村:地域社会の自立と地域教育に関する調査
・09年度 青木村:市民調査(コミュニティ意識、社会教育、産業・雇用)

教員とその専門領域、および指導体制

村山研一教授:地域社会学
地域社会の中長期的な変貌過程をフィールド調査をふまえて研究しています。特に、地方都市における地域産業の成立と転換、農村における集落組織と農林業の世代的継承が近年の主要な研究課題です。
最近の研究テーマ:地域景観問題、地域ブランド、山村社会の維持・存続

辻 竜平准教授:数理・計量社会学、社会ネットワーク分析
社会ネットワーク構造を記述する方法を開発するとともに、地域社会やインターネット社会などが幸福に発展してゆくために有効な社会ネットワークのあり方を、モデル構築と実証研究によって探究しています。
最近の研究テーマ:中越地震からの地域復興,音楽祭を支える人々のネットワーク

また、社会学分野の教育方針として、卒業論文の指導ではどちらかの教員のゼミに配属されるような形を取らず、教員2人が共同で指導する体制を取っています。これは、学生の持つ問題関心に対して、2人の教員や学生たちが多面的にコメントを行うことによって、その学生本人が自らの問題関心に対して深く考察することを促すためです。

一方、各教員が行っている半期のゼミもあり、そのテーマは次のとおりです。
・05年度...文化・歴史・自然・地域社会、社会階層・不平等
・06年度...市町村合併、フリーター・ニート
・07年度...地域社会、格差
・08年度...場所と空間、中越地震と被災地復興
・09年度...社会と市場、地域間格差

社会調査士資格

「社会調査士」とは、一般社団法人「社会調査協会」が認定する資格です。
社会学分野の学生は、「データ分析方法論」、「経験社会学基礎」、「社会調査実習」などの所定科目を必要な単位数取得することによって取得できます。
社会学分野では、社会調査能力を客観的に保証するために、社会調査士の資格取得を推奨しています。

詳しくは、こちらをご覧下さい。

※この資格は、諸要件のため、本学では社会学分野と文化情報論分野に所属する学生のみが取得可能です。

卒業論文のテーマ

これまでの社会学分野の卒業生は、次のようなテーマで卒業論文を書いてきました。(過去3年の中から一部抜粋)

2009年度
・現代中国における都市と農村の格差
・ケータイの利用に関する社会学的研究
・「モテ」に関する社会学的研究
・ニュース番組の研究
・地産地消と地域社会
・若者の流行意識
・地域イベントがもたらす効果に関する研究
・震災後のコミュニティに関する研究

2008年度
・学校と地域の連携による教育効果
・大学生の結婚観
・現代の若者の恥の意識
・現代社会における犯罪
・「食」を用いた町おこし
・女性の身体イメージに関する社会学的研究
・地方都市における商店街の変動

2007年度
・キャリアパターンからみる経営者像
・内陸部の地方都市における環境政策と市民意識―松本市におけるコンパクトシティ構想とまちづくり―
・大卒女性における就業とライフイベントの関係
・大学生の友人関係と大学生活
・地域におけるスポーツの発展と展開について
・職業経歴にみる生活と意識の変化

社会学分野が求める学生

社会学分野では、次のような学生のみなさんを歓迎します。

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(1) 現代の社会で起こっている出来事に対する幅広い関心を持っている人
(2) 多角的なものの見方ができる柔軟性を身につけたい人
(3) 現代の社会に対する新しいものの見方を導く想像力を身につけたい人
(4) 社会調査のため調査地に出かけていく機動力のある人
(5) 初対面の人とでも失礼なく話せる社交性のある人
(6) 仲間と協力して考えたり作業したりすることができる協調性のある人

 

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