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2011年7月

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独語・独文Q&A

2011年07月28日

以下によく寄せられる質問とその回答をご紹介します。

 

Q: 具体的にどういったことを研究しているのですか?

 

A: 当分野では、言語研究、文学作品や作家研究の他、ドイツ言語文化に関連していれば、興味・関心のあることを自由に研究できるような環境作りに努めています。大きく分けて3つのカテゴリー、語学・文学・文化の中で研究をすることができます。
   具体的には、語学のカテゴリーでは、ドイツ語学習を通して、日本語話者の我々には難しい、あるいは、不思議に思える文法構造に関する研究から、言語と社会の関連性を歴史的に考察していく研究まで、多角的な視点から「ことば」を研究することができます。文学のカテゴリーにおいては、『グリム童話』などの民話、ミヒャエル・エンデ、エーリヒ・ケストナーなどの児童文学から、ヴォルフガング・フォン・ゲーテやフリードリッヒ・シラーなどのドイツ古典文学まで、ドイツ語圏の作家や作品について、幅広く学ぶことができます。文化のカテゴリーにおいては、ドイツの環境政策や移民社会に関する研究をおこなっている学生がいます。

 

Q: 留学はできますか?

 

A: 信州大学では、マンハイム大学、ライプツィヒ大学と国際交流協定を結んでいます。交換留学生として留学する場合には、学内選考がありますので、早目に準備をする必要があります。それ以外にも、ドイツの大学の多くは、留学生を受け入れる体制が十分に整っていることから、個人的に手続きをし、留学することも可能です。いずれにしても、高度なドイツ語力が必要とされますので、当分野では、3年次修了後の留学を奨めています。また、近年、就職活動等で長期留学が困難であるという学生が増えているため、夏期休暇を利用した短期留学の支援も積極的におこなっています。

 

Q: ドイツからの留学生やネイティヴスピーカーはいますか?

 

A: 協定校であるライプツィヒ大学からは、毎年2~3名の留学生がきています。チューターとして、留学生の日本での生活をサポートしつつ、彼らからドイツ語を学ぶということも可能です。ネィティヴスピーカーに関しては、全学教育機構に所属しているドイツ人講師が、人文学部のいくつかの講義を担当しており、それ以外の時間にも気軽に交流できるような体制を整えています。また、講義の受講生は、5~10名程度となっており、他大学や他の語学教育機関と比べると、大変贅沢な環境であるといえるでしょう。

 

Q: 卒業後の進路にドイツ語は活用できますか?

 

A: ドイツ語が活用できるような進路というのは、正直に申しますと、あまりありません。しかし、全くないこともありません。例えば、当分野の卒業生には、ドイツ語関連の老舗の出版社に勤務している方や、精密機械関連の会社で、ドイツとの商談・交渉を担当している方もいます。また、外務省からドイツ語圏の大使館・領事館に派遣される在外公官を務めていた方もいます。いずれの場合も卓越したドイツ語能力が求められますので、長期留学や大学院に進学し、ドイツ語力及び専門性を磨き、関連機関への就職を目指すことも選択のひとつです。

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2010年度提出の卒業論文

2011年07月27日

2010年度卒業論文

当分野では、2010年度ドイツ語学研究で3本、ドイツ文学研究で1本、計4本の卒業論文が提出されました。卒業論文のタイトルと内容を簡単にご紹介します。


① ドイツ語の否定要素を含む疑問文について


"Haben Sie kein Ticket?(切符を持っていないのですか?)"と尋ねれたら、"Ja, ich habe kein Ticket.(はい、持っていません)"と日本人ならついつい答えてしまう。「カードをお持ちではないんですね?」と尋ねられたら、ドイツ人はどう答えればいいのか…。こうした素朴な疑問から出発し、実際の使用例を分析することにより、否定要素を含む疑問文が使用される状況、表現形式、発話意図などの特徴がまとめられています。


② ドイツ言語文化圏における外国人作家と作品
 -シリア系ドイツ人作家ラフィク・シャミ『夜の語り部』への考察-


1960年代から外国人労働者を積極的に受け入れてきたドイツでは、同時に、政治的亡命者なども受け入れてきました。そんな「移民」である彼らの生活において、最も障害となったのは、何よりも「ことば」でしたが、それゆえ、彼らによって新しく構築されたジャンルが「移民文学」です。ドイツ文学界における移民文学の受容とドイツにおける移民の社会的環境を踏まえた上で、シリア系ドイツ人作家ラフィク・シャミ『夜の語り部』の作品分析によって、ドイツに住む外国人が母語ではなく、ドイツ語で文学を創作することの意義について論じられています。


③ 接頭辞を伴う複合動詞について-be動詞の実証的分析-


ドイツ語には非分離動詞と呼ばれる動詞があります。造語法研究では、接頭辞派生動詞として扱われていますが、例えば、bekommen(受け取る、もらう)はkommen(来る)の語頭にbe-という接辞がつけられ派生した動詞です。この二つの動詞は、それぞれ全く異なった意味を表していますが、時折、派生動詞とその元になっている基礎動詞の間に意味の相違が、「beantworten(答える)- antworten(答える)」のように明確ではない場合があります。意味の相違がないのに、なぜ新しい動詞が生成されているのか、その存在意義は何なのか…豊富な用例を基に独自の視点から結論が出されています。


④ 『グリム童話』を追う
  -赤ずきんを襲う獣はなぜ狼でなければならなかったのか


世界中でよくしられている『グリム童話』のひとつ「赤ずきんちゃん(Rotkaepchen)」は、おばあさんのお見舞いにでかけ、森で狼に出会います。森でオオカミ?なぜクマではないのか?キツネではないのか?―北欧神話、ゲルマン神話そしてキリスト教の文化的背景における「狼」の役割を探りながら、この問いに対する独自の「答え」が述べられています。


2010年度以前の卒業論文題目

2009年度、2008年度に提出された卒業論文の題目を以下にご紹介します。


2009年度卒業論文題目


ドイツ語と日本語におけることわざの比較
ドイツ語における動物をテーマとした慣用句について
ドイツにおける環境保護
ミヒャエル・エンデの作品研究-「時間」とは何か-


2008年度卒業論文題目


ドイツ人と色-ドイツ語を例に、ヨーロッパの色彩観を読み解く-
ドイツ中世文学におけるminneについて
ドイツ語における語彙の歴史的変遷-借用語を中心に-
ドイツ語における姓名の歴史的、地域的考察
ヘルマン・ヘッセの作品研究-『デーミアン』-
アルトゥール・シュニッツラーの戯曲について-登場人物を通してみる作者の女性観-

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ドイツ映画鑑賞会のお知らせ

2011年07月12日

Einladung zum deutschen Filmabend

第1回外国語サロン(フランス語)に続き、第2回外国語サロン(ドイツ語)を開催致します。非常勤講師マヌエル・クラウス先生の一押し映画を鑑賞した後、先生を囲み、映画の感想を含むドイツ文化について語り合う予定です。クラウス先生は、母語であるドイツ語以外に、英語、フランス語、日本語に堪能ですので、ドイツ語初学者やドイツ語を専門としない学生にも先生との会話を気軽に楽しんでいただけます。


2011年7月12日(火)人文学部第5講義室18時30分~


映画鑑賞会の後、人文ホールにて懇談会を行います。


懇談会会費(学生):1000円


なお、懇談会は20時頃から予定しております。
懇談会のみの参加も可能ですので、皆様のお越しを心からお待ちしております。

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