6. ゼミ活動

軽井沢絵本の森美術館見学会

英語絵本読み聞かせ実習として

第2展示館へ向かう

今年度「英語学応用演習I」と銘打つ授業では、 学生たちによる様々なプロジェクトの起ち上げと そのプロジェクトを通じて大学キャンパス外へと 出て行き、地域貢献を行い、大学内で得た知識 や技能を、「実践する」という人文学部のポリシー を体現しようとしています。 現在、松本市中央図書館と松本市西部図書館で 行っている「英語絵本読み聞かせボランティア」も そのプロジェクト活動の一環です。 とはいえ、普段はLinguisticsにばかり触れている英語学ゼミナールの学生たちにとって、「英語絵本」というモノは、実際に読み込んで、行間を読み、作者の意図や、短い英語表現に込められた深い意味を「理解すること」は「苦手」のようです。 つい「こどもの英語」と高をくくってしまうのですね。 そこで、「絵本創造」および「絵本のバイタリティ」や多様性を知ってもらうために、同じ長野県の軽井沢にある絵本美術館を訪れました。 「絵本美術館」というものに対する知識を持たない学生諸君にとって、この広大な敷地や「学芸員」による研究活動なども、まったく思いもよらなかったもののようであり、これは引率した教員にとっては嬉しい、「意外な反応」でした。

展示物としての絵本と読み物としての絵本

学芸員の須賀さんに案内されながら

最初に出迎えて戴いた学芸員の須賀美玲さんの案内にしたがって、第1展示館の木葉井悦子さんの原画展示室や立教大学名誉教授の吉田新一先生の蔵書室を見て回ります。 最初の計画では、この吉田先生の蔵書の中から、数点の研究書を紹介する予定だったのですが、学生諸君の興味は美術館内を巡るうちに変わってきたため、今回は書棚の中をブラウジングするだけで終わりました。 Linguisticsの研究書の英語ばかり読んでいると深い内容の書物の英語は読まなくなるのではないかという、一教員の危惧をよそに、学生たちは、第二展示室の牧野鈴子さんのファンタジー画に目を奪われながら、やがて館内に自由に手にとってよい絵本を読みふけり始めます。

小イベントに参加しながら

販売店に足を踏み入れると、学生たちは目を輝かせながら物色し始めます。 ちょうどこの夏休みの期間中に館内の小さなイベントとして「Little Red Riding-hood」に扮装して、美術館の敷地の森をバックに写真を撮ろう! というものがありました。 せっかくだから・・・と参加した学生たち。 意外と似合う某君の写真といい、いい思い出ができました。

絵本図書館とABCの本

絵本図書館にて記念写真

さて、リクリエーションも終わり、今一度学究的な態度に改めた学生諸君を、絵本図書館に案内して戴きました。 すると、先ほど第2展示館で目覚めた絵本を読み込もうとする意欲が刺激されたのか、みんなすっかり黙り込んで、書棚の中から多くの絵本を物色し、それぞれ読みふけり始めました。 その後、いったん休憩して、隣のエルツおもちゃ博物館を見学。 学生の多くは、ここにもかなり感動したようです。 さて、図書室に戻って、今一度絵本の内容に戻りましたが、その際、吉田先生からの受け売りですが、読み聞かせに欠かせない ’ABC'の本について、簡単に学生たちにお話することができました。 http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/arts/prof/itou_2/2010/11/35816.htmlにも書いたのですが、かつて、日本イギリス児童文学会において、吉田新一先生の長年のご研究の一端として、ABCの本の多様性と、その優劣を評価する基準について、吉田先生ご自身の御講演から多くのことを学ばされてきました。 ここにはたくさんの資料がありましたから、その時に伺ったことを、少しだけアレンジして伝えたのでした。 さらに、学芸員の須賀さんからも、名作『おやすみなさい、お月さま』の読みどころを教えて戴きました。 ほとんど半日をかけて、私たちの見学会にお付き合いくださった学芸員の須賀様には本当にお世話になりました。 また今回の見学会を許可してくださった美術館代表 土屋様、土屋様を紹介してくださった、松本市の児童書専門店「ちいさいおうち」の越高さんに心から御礼申し上げます。

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