世界史専攻の紹介

中学校や高校で学んだ科目の中に歴史があったために、心理学や社会学といった学問とくらべて、歴史学は皆さんにも馴染みのある学問だと思います。しかし、大学で学ぶ(あるいは研究する)歴史学は中学や高校でのそれとはずいぶん違っています。これまでは「歴史は暗記科目である」としてひたすら年号や歴史的事件を覚えること――つまり、知識の総量を増やすこと――に主眼があったわけですが、大学ではそうした知識が成り立っている基盤をたしかめ、あるいはそうした知識を獲得する方法を学ぶ、つまり、自らあたらしい知識を探索していくことが課題になります。そのための訓練をへて、それぞれが歴史の方法論に触れてみることは、たんに卒業論文を書くということだけでなく、これからのあなた方が生きていくための糧になるはずです。

  また、歴史学は、学問の本質からいって、まことに学際的な学問です。さきほどあげた社会学や心理学だけでなく、人類学や言語学、文学など、多くの他の学問領域を歴史学の中に取り入れて生かしているたくさんの先例があります。ぼんやりと「専門では何をやってみようかな? どうもはっきりしないけど……」と迷っている人でも必ず歴史学の中に自分の関心と重なる問題を発見できると思います。

 

歴史学コース世界史専攻(アジア史)では中国史を中心にアジアの歴史について学びます。

* アジアと向き合う *

 今、いちばん元気なアジアを相手にします。アジアの人々が、今、何を感じ、何を考え

生きているのか。それを探るのが世界史専攻(アジア史)です。歴史は昔のことではなく、今を生きる人々が、これまでたどってきた道のりのこと。歴史は、今につながっています。

* 中国語を生かす *

 1年次に中国語を学んだ人たちは、ぜひそれを生かす分野を選んだらよいと思います。主に中国史を勉強するアジア史では中国語をフルに活用します。中国語やハングルなどアジアの言葉を使ってアジアの人々と理解しあえるようになれば、世界が広がります。もちろん中国語を選択しなかった人たちもアジア史に進学できます。

* 卒論は誰もが書けるもの *

 アジア史は卒論を書くのが難しい、とも言われます。確かに今までに提出されたものの中には、学界でも注目を集めたほど高い水準の卒業論文が含まれています。しかしそれを書いた先輩たちが、並はずれた勉強家だったわけではありません。毎日の積重ねでした。ゼミという少人数で勉強していく場を通じ、だんだんと力を付けていくことができます。

 最大受入れ人数は4人です。

 

歴史学コース世界史専攻(ヨーロッパ史)では基本的には西洋世界の歴史を扱うわけですが、それは地理的にも時間的にもきわめて広い範囲になります。一応、日本とアジアを除く地域の、古代から現代にいたるまでの歴史に関心がある人はわたしたちのところへ相談にきてください。ヨーロッパ史には二人の教官がいます。それぞれ専門領域はイタリア近現代史(柴野)とフランス近代史(佐藤)です。二人のスタッフは近現代史を専門領域としていますが、中世史や古代史に関心がある人もいらしてください。きちんとそれなりの指導をしております。 

 外国の歴史を扱うわけですので、外国語――英語とは限らず、ヨーロッパ系の言語――が必要になってきます。二人のスタッフはそれぞれ演習や資料購読の授業を通じてフランス語・イタリア語を初歩から指導しています。専門に進んでから新しく外国語を学び始めるケースも多くありますので、「西洋史には関心があるが、わたしは外国語が苦手だからどうしよう?」などと心配しないで進学してきてください。

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