学生生活

学生生活 (no.5) : 秋元結貴(大学院 2008年入学)

 

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比較文学分野では1つのジャンル、1つの言語、1つの時代、1つの国といった枠に縛られることなく、文学の多種多様な領域を研究することができます。1つの領域に閉じ籠っていてはけっして見えてこないような物事を、別の領域と照らし合わせて研究することによって明らかにし、物事の本質について、批判的な判断を行うことが出来るようになるということが、比較文学分野の大きな魅力です。


複数の領域をまたいで研究するということは、すなわち、多種多様な知識が要求されているということを意味します。こうした研究を行うためには、語学、歴史のみならず、時には自然科学の知識をさえ要求されることがあります。また、かなりの読書量も求められており、たった1つの問題の答えを獲得するために、何十冊という本を読破しなければならないこともしばしばです。100冊の本を読んでも答えに辿り着けないことさえあるかもしれません。

 

そんな時でさえ、「何の成果も得られなかった。無駄だった」とあきらめるのではなく、いつか出会うかもしれない別の問題のために、知識としてストックしなければなりません。ストックされた知識どうしが閃きを呼び込み、いつしか新たな視点を生み出してくれるかもしれないのです。要するに、この分野では、研究の範囲を狭く限定せず、強欲なまでに様々な知識を手に入れ続け、その為に常にアンテナを張り続けなければ、満足のいく結果は生まれないのです。


どんなに多くの知識を得たとしても、その使い方がわからなければ、何の答えを導くことはできません。そのような探求の行き詰まりに陥った時には、きっと先生方がサポートをしてくれます。この分野に所属している先生方は、それぞれ研究の対象や方法が異なっていますが、様々な状況に応じて、的確なアドバイスをしてくれます。また、同じような研究をしている先輩がいますので、臆せず真正面から研究の悩みをぶつけてみて下さい。きっと快く相談に乗ってくれるはずです。


比較文学分野への門は常に開かれています。しかし、その先には広大な領域が広がっており、もしかしたら誰もあなたを導いてはくれないかもしれません。しかし、自分から門をくぐり真剣に学べば、いつの間にか比較文学の住人になっているでしょう。そして卒業する頃には、多くの知識と技術を手に入れ、様々な問題の本質を見抜けるようになっているでしょう。少なくとも私は、それを目指しこの分野で自分を磨いているところなのです。

 

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