お知らせ・報告

20181218中国語サロン 史傑鵬氏の講演(12/12)その後

この日の中国語サロンは、学生、院生、市民開講参加者、参加いただいているネイティブ非常勤講師の先生方等、全部で12人参加でした。

去る12月12日、信大人文学部多文化交流サロンで、中国の作家・史傑鵬氏による講演「わたしの研究と創作」が開催され、信大の一般学生だけでなく、留学生や市民開講受講の方々も聴講していました。講演終了後には中国人留学生たちが「どうしてあの作家がここにいるの!?」と興奮しきりだったのが印象的でしたが、当サロンにも時折参加しているKさんが史傑鵬氏講演後の質疑応答に参加し、その感想をこの日のサロンで話してくれました。
質疑応答の下敷きとして、今年度閻小妹先生の授業で史傑鵬氏の現代小説≪户口本≫を題材にしており、当授業参加のKさんからその読解が難しいと私も時々このサロンで質問を受けておりました。12日講演後にKさんが史氏に質問したのは「小説の発表にあたって、表現の修正を求められたということですが、具体的にその書き換えた内容を憶えていたら教えてください」というもの。小説≪户口本≫は中国農村社会の状況を赤裸々に描いた作品で、中国政府としては広められては困る内容がいろいろあり、何しろ表現の自由というものが存在し難いお国柄ですから、圧力がかかって数十箇所表現を書き改めたと史傑鵬氏自身が講演で語り、Kさんの質疑に書き換えの実例を一つ紹介してくれました。そしてKさんが「どうも意味がわからない、何でこういう言葉を使っているのかさっぱり理解できないと思っていた箇所が、修正する前の表現だとすっきり理解できる」と、この日の中国語サロンで改めて感想を述べてくれました。農村の下層社会を舞台としていることから、言葉も土着のものでしばしば露骨な性的表現も入り混じるなど、そういう性格が小説の読解を困難にしていたのかと当初サロンで質問を受けたときに感じていましたが、なるほど中国当局からの書き換え要請がその原因の一端だったかと興味深く感じました。

◎中国語サロンは毎週火曜昼休み(12:10~13:00)、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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