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20181030中国語サロン 「小三」の日中比較

グーグルによる日本語「小三 雑誌」の画像検索結果。真面目な子供の教育雑誌の表紙がずらりと並んでいますが、中国人には大受けする光景。

この日の中国語サロンは、学生、院生、参加いただいているネイティブ非常勤講師の先生方等、全部で10人参加でした。

日常的な動詞“戴眼睛/手套 ”「眼鏡をかける/手袋をつける」、“穿衣服/袜子”「服を着る/靴下を履く」等々が話題となっていたなか、誰かが「キスをする」って中国語で何と言うのですか?と質問。ネイティブのL先生が「“接吻jie1wen3”といいます」と答えると、中国語初修学生はヒアリングで???状態。「接吻(せっぷん)と書くアレ」と助け船を出すと、ああ~あれか~と納得していました。そう言えば“亲嘴qin1zui3”という言い方もありますよねとL先生に話を振り返すと、“亲嘴”はあまり品がない言い方なので、“接吻”の方が使いやすいですと説明してくれました。日本語では「せっぷん」はもはやほぼ死語のような状態で、一般的には「キス(する)」、口語でやや品の無い言い方だとオノマトペを用いた「チュー(する)」に分化しているでしょうか。中国語が動詞+目的語構造を保っている一方で、外来語やオノマトペに走っているところはいかにも日本語らしい傾向を示しています。

そこから話が更に品のない方向に転がり、男女関係で二股かけたり愛人を持ったりする、その愛人は“小三xiao3san1”と言うんですよと院生Lさんや研究生Hさんが紹介してくれました。日本人学生からは何で“小三”などという言い方をするんですかと質問。これは夫と妻、二人の関係に愛人が“第三者di4san1zhe3”として加わる、それを呼びかけ表現を作る要領で“小+~”のパターンに当てはめることで“小三”ができあがるのだと説明しました。“外国人”のことを“老外”とよく言いますが、これも同じく呼びかけ表現パターンから生じた言い回しです。すると1年生で4月から中国語学習を始めたばかりのA君が「“我是小三。”って言うんですか?」と質問。LさんHさんこれに大ウケで大笑い、「私は愛人です」と自分から言い出す状況は普通有り得ないわけで、そのシュールさが笑いを引き起こしたようです。日本人からすると「小三」といえば「小学三年生」の略称でしかありませんから、反射的な笑いの感覚にはなかなかつながりません。
そういえば子供の教育雑誌で小三というのがあったなと私がタブレットPCで検索して、その画像一覧をL先生LさんHさんに見せるとこれまた大笑い。「これ絶対中国人に受けますよ」と太鼓判を貰いました。日中の同字異義語は山ほどありますが、イメージのギャップが大きいのは「小三」かもしれません。

◎中国語サロンは毎週火曜昼休み(12:10~13:00)、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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