お知らせ・報告

20181009中国語サロン ハロウィンは菓子か飴か

ハロウィン絵柄ティッシュ、隣は茶請けの松の実(殻付き)

この日の中国語サロンは、学生、院生、参加いただいているネイティブ非常勤講師の先生方等、全部で9人参加でした。

この日偶々お菓子と一緒に持参した貰い物のティッシュ箱にハロウィン絵柄が印刷されていたので、そちらが話題に。ハロウィンは中国語で何と言うんですかと学生が質問し、“万圣节wan4sheng4jie2”ですよと答えると、「クリスマス(圣诞节sheng4dan4jie2)に似てますね」という感想。そう言えば“圣”の字が共通しています。ネイティブL先生によると、中国では言葉としては知られているけど、実際にやる人はそれほどおらず風習として根付いているほどではないということで、一般的なハロウィンとの距離感は日本と近い感じです。渋谷のような大騒ぎイベントは中国ではありませんが。
ハロウィンお馴染みの台詞“Trick or Treat(トリック・オア・トリート)”は、中国語で何というのか?と再びの学生質問。日本語では「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ」がよく見られる訳し方でしょうが、中国語での言い方は考えたことがなかったのでネットで調べてみると“不给糖就捣乱”“不给糖就捣蛋”が定番な模様。“捣乱dao3luan4”は「邪魔をする、かき乱す」、“捣蛋dao3dan4”は「言いがかりをつけて人に絡む」という意味の動詞です。仮定表現の緊縮文なのは予想の範囲内でしたが、日本語の「お菓子」に相当する語に“糖tang2”が用いられており、これは厳密には「飴、キャンディー」を意味する語であり、日本語の発想と少し違うなと感じました。
「飴をくれなきゃイタズラするぞ」ですと、クッキーやせんべいやチョコレートといったキャンディー系以外の菓子が軒並み排除されてしまいますので、貰える菓子の種類が乏しくなってしまい、個人的には非常につまらない感じがします。一方「菓子」に相当する中国語の語彙と言えば“点心dian3xin1”“零食ling2shi”が思い浮かびますが、“点心”は日本語で言うところの単なる菓子だけでなく“包子bao1zi(肉まんや餡まん)”“饺子jiao3zi(餃子)”“烧麦shao1mai4(シューマイ)”“月饼yue4bing3(月餅)”などを広く指す概念ですので、“不给点心就捣乱”では大仰な感じになってしまうのでしょうか。また“不给零食就捣乱”だと子供が喜ぶようなイベントのご褒美感がどうにも足らず、使い難い感覚を受けます。菓子なのか飴なのか、無意識に言葉を選び取るのは難しいものだなと感じた次第です。
ちなみに英語では“trick”“treat”と頭韻を踏ませた動詞のみを使用し、目的語が何かは全く言及していません。中国語はとりわけ目的語を必要とする性格が顕著ですので、そういう面では英語とかなり違うなあとも感じられました。

◎中国語サロンは毎週火曜昼休み(12:10~13:00)、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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