お知らせ・報告

20171127中国語サロン ケーキとパンと柿の種

Kさんから提供いただいた刻み干し柿入りパウンドケーキ

この日の中国語サロンは、学生、院生、参加いただいているネイティブ非常勤講師の先生方等、全部で8人参加でした。

市民開講参加のKさんが自宅で作った干し柿を刻み入れて焼いたパウンドケーキを持参してきてくれましたので、皆で美味しくいただきました。作り方について中国人参加者から質問が出ましたので、Kさんからベーキングパウダー(“泡打粉,苏打粉”の言い方があります)を入れたりとか紙製の型が使いやすい等々説明され、そしてKさんからは「中国でこういうケーキは作ったりしますか?」と質問しました。すると非常勤講師のL先生は「作らないですね」との答。中国人の学生HさんやJさんも同様の反応です。焼くためのオーブン機器を中国の家庭ではそもそも備えていないとのこと。日本では程度の差こそあれケーキやクッキー等の西洋菓子を作る趣味はそれほど特別なものではないと感じますし、そういった需要に応えるように電子レンジ・オーブン機能一体型機器も普及していますが、この日の中国人参加者の反応からすると、西洋焼き菓子を作る行為は日本に比べあまり馴染みがないように思われます。そこでKさんが「パンは食べたりしますか?」と質問。中国人学生Jさんが「前は食べなかったけど、日本に来てから食べるようになりました、朝は簡単なので」との答。更にKさんからの質問「では中国に帰国したときにパンを食べたくなったりしますか?」に、「全く(パンを食べ)ないです。包子や馒头などもっと美味しい物があるので」というのがJさんの答、他の中国人参加者も大体それと同意見のようでした。
パンやケーキといった外国の食べ物をどんどん受け入れアレンジし利用する日本の文化と、外国の食べ物を口にすることはあるけど主軸は自国の食べ物にがっちり置いている中国の文化と、意外と大きな違いがあるのだろうなと感じたやり取りでした。そう言えば9月の上海・蘇州研修旅行にていろいろ各地を移動しましたが、パン屋専門店は上海師範大学近くにある1軒しか見かけませんでした。上海・蘇州の都市規模と、パン屋専門店が私が知っているだけでも5軒はある松本市を重ね合せると、パン需要に結構大きな差があると感じます。

干し柿パウンドケーキ作りの話題で「柿の種を取って…」と出たとき、この「種」は“种子”でなくて“核”である、「柿の種」は“柿子核”、「林檎の種」は“苹果核”というのだと中国人交換留学生W君から解説がありました。またW君が“苹果核”は丸のままの林檎を外から齧っていって残った部分だとも説明してくれました。“核”は一般にはhe2の発音ですが、この用法においてはhu2の口語発音もあります。
サロン終了後≪现代中国词典 第6版≫で確認すると“核果中心的坚硬部分,里面有果仁。(果物の中心にある固い部分、中に種が入っている)”との定義で、ここでは日本語で言うところの「芯(=丸のままの林檎を外から齧っていって残った部分)」に相当します。
でもその一方で、
“不小心把柿子核吞下去了,有什么问题吗?(うっかり柿の種を飲み込んでしまいましたが、何か問題がありますか)”
“吃剩的柿子核怎么种成盆栽(食べた後の柿の種はどう植えれば盆栽になりますか)”
のように、「芯」ではなく明らかに「種」を指す文脈の用法が存在しています。また“橘子核(ミカンの種)”のように、「芯」を持たない果物に対しても“核”を用います。
普段全く意識していませんでしたが、「芯/種」が地続きとなりまとめて“核”で示す中国語と、「芯」と「種」は別物で全く違う語彙で示す日本語との違いを確認できたエピソードでした。

参考:http://club.xywy.com/static/20161013/119749516.htm
   寻医问药网より、“不小心把柿子核吞下去了,有什么问题吗?”
   https://zhidao.baidu.com/question/1368612264878889099.html
   百度知道より、“吃剩的柿子核怎么种成盆栽”

◎中国語サロンは毎週月曜昼休み(12:10~13:00)、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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