お知らせ・報告

2017/09/17-23上海蘇州研修旅行について(3日目)

上:上海駅待合室から自動改札を出て高速鉄道ホームに下りる階段から撮影 下:高速鉄道往路チケット(黒塗りはパスポート番号)

9/19、この日はホテルを一旦引き払いトランクを預ける作業があるため、早起きして荷物まとめ。07:00に始まるホテル食堂へトランクと手荷物を持ち込み、朝食を手早く済ませそのままロビーに移動し全員集合。清算とトランク預け入れ作業を済ませ、07:30過ぎに地下鉄で上海火车站へ移動、脇にある建物のチケット売り場窓口に向かいました。上海~蘇州を往復する“高铁”=高速鉄道のチケットは既に上海在住の方に託してネット予約を済ませていたので、パスポートと“取票号”=チケット受領番号があればそのまま受け取れる手筈だったのですが、学生2名の予約に入力ミスがあったらしく発券できないと言い出す事態で、窓口担当者に李丹丹先生と抗議したりまた窓口を替えてみたりで、なんとか全員高铁チケットを受け取ることに成功しました。
高圧散水車が派手に清掃をしている駅前広場を通り、上海駅入り口へ。ここの“安检”=セキュリティチェックは単なるX線荷物検査だけでなく、利用する列車のチケットと、それに加えて中国人は身分証明書、外国人はパスポート提示の必要がある更にチェックが厳しいものです。全員駅構内の“候车室”に着き待機することに。椅子に座っていると隣の李さんから「先生、寝た方が良いですよ」と声がかかり、空き缶を手にした“乞丐”=お貰いさんが小銭をせびりに来たことでの狸寝入りせよとのアドバイスでした。中国大都市の地下鉄ではときどき見かける“乞丐”ですが、列車チケットと身分証明書が必要な場所にどうやって入ってきたのか実に不思議であります。この対策は事前説明し忘れていましたが、幸い学生たちは皆周囲の空気を読んで相手にせず、空き缶を目前に差し出し積極的に小銭をせびってくる、道端で空き缶を置き黙って坐っている日本流とは異なるスタイルをやり過ごしていました。
発車15分前09:15にホームへ下りるゲートとなる自動改札機が開き、高鉄車内に入ります。往路の高鉄は“软卧”=寝台個室を二等座席として利用するものでした。日本の新幹線では一部に個室がありますが寝台車形式はありませんので、今回の利用はごく短距離なものですが、中国の国土の広さを感じさせる面があります。

上:留学生対象中国語授業風景 中:蘇州大学の学生食堂とメニュー掲示 下:留学生たちと記念撮影

10:03頃蘇州駅に到着。そこから蘇州大学側の送迎ワゴン車を見つけるべく駅南広場駐車場に向かいましたが、案の定物凄い量の自動車だらけです。予め連絡されていた自動車ナンバーを昨晩学生たちに微信Wechatで伝えていたので、皆の目で探すことに。遠目でそれらしいワゴン車を見かけると駆け寄っていって空振りするのを二度ほど繰り返した後、学生たちから当該ナンバーのワゴン車発見との知らせ。窓ガラスをノックし運転手に話しかけて確認すると、その通り蘇州大学の送迎車だということで、急ぎ皆乗り込んで大学へと移動です。李先生と運転手さんの話によると蘇州市中心部は歴史的町並み保全のために建物の高度規制があり、高層ビルが立ち並ぶ上海とは全く異なる景観を呈しています。
10:30近くに蘇州大学に到着、運転手さんに日本のお菓子をお土産として渡し、留学生棟へ。そこで留学生担当の魏敏先生と合流し挨拶を済ませ、それから留学生対象中国語授業の教室に入り後ろの空いている席に学生皆着席し見学です。昼になり中国語授業が終わり、改めて魏敏先生たちに日本からの土産の品を渡しつつ挨拶をし、信大人文学部から蘇州大に留学中のO君と再会しました。O君の案内で学生食堂に向かい、魏敏先生が貸してくれた学食カードを利用して昼食を注文、信大学食とは異なる様子に学生たち皆興味津々でした。厨房カウンター上に掲示されているメニューを見て注文すると、厨房の中の人がびっしり文字が書かれたファイルを差し出して言うには、掲示にあるのはメニューのほんの一部でもっといろいろ料理を作れるよとのことです。御飯におかずのかかった丼物系の昼食が終わり、教室に戻って午後は海外からの留学生との交流会です。このクラスにはエクアドル・ロシア・ナイジェリアやまた日本からの留学生がいて、その目的も仕事上必要性を感じてとか、国費留学であったり、また個人的興味から中国語の勉強をしているという、さまざまな性格がありました。中国語での蘇州における生活の紹介や質問を信大留学生O君にも手伝ってもらいつつ通訳と説明をし、15:00ごろ終了しました。

左:蘇州大学学生寮見学、ロフト形式で上にベッド、下にデスクが設置 右:蘇州大学キャンパス

交流会が終わり蘇州大を一旦出て、宿泊先である大学附属ホテルへチェックイン手続き。夕方信大留学生O君の案内で蘇州大学キャンパス見学です。周辺に高い建物がなく、古い建物や立派な並木通りがあり、鳥や蝉がしきりと鳴いている、実に趣のある光景です。ただ街中と同様キャンパス内にも一見日本の原付バイク風である“电动自行车”=電動自転車が結構なスピードで走り回っていて、うっかりすると接触しそうになります。芝生の小さな丘の上に登って蘇州郊外に目を向けるとそこは高層ビルが林立。大学がある市の中央部は高層ビルが制限されて景観が守られていますが、郊外は開発が進み一千万人都市となっています。キャンパス内のそこかしこで9月入学したての1年生が青灰色迷彩衣装に身を包み“军训”=軍事訓練をしている中、学生寮区画に向かいO君の案内で寮内部も少し見学させてもらいました。男子寮の割にきれいだという印象、ランドリーが使いやすいとのO君の説明あり、寮ロビーに置いてあるドリンク自動販売機が安かったのでライチジュースを買って飲んだりしました。
夜はホテルの食堂で蘇州大の魏敏先生を囲んでの夕食会。神戸への留学経験を持つ魏敏先生と信大留学生O君が蘇州での生活について更にいろいろ詳しく説明してくれました。魏敏先生は実は上海出身なのだけど交通ラッシュなどが激しい上海ではなく、もう少しゆったり暮らしたいと蘇州での仕事を選んだとのことでした。O君も大都会上海より、伝統的な雰囲気が色濃い蘇州の方が性に合っていると充実した留学生活を送っているようでした。O君的お勧め蘇州観光スポットは山塘街、そこのとある“素食”レストランが絶品とのこと。残念ながら翌日の観光予定で足を伸ばせる距離ではないので、若しまた機会があったときのために記憶に留めておくとしましょう。

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