お知らせ・報告

20170605中国語サロン 冰淇淋 VS.冰淇凌

この日のお茶 “肉桂(2015年)”

この日の中国語サロンは、学生、研究生、参加いただいているネイティブ非常勤講師の先生方等、全部で8人参加でした。

1年生のKさんと中国人院生Z君のコンビで中国語発音練習が定番となっています。今回「あなたはどんなアイスが好きですか?――私はチョコミントアイスが好きです」といった例でZ君が発音教授と相成り、そこで“冰淇凌?冰淇淋?どっち??”とZ君自身も分からなくなったようで交換留学生Zさんに尋ねていました。Zさんもまたどっちだったっけ?はっきりしない模様。
外来の事物であるice creamを表すのに、日本語ではカタカナで「アイスクリーム」と書いて外来語を示しますが、中国語は当然全て漢字表記となります。iceは“冰(=氷)”の意訳ですから表記に迷うことはありませんが、creamはそれに近い漢字音を当て嵌めた音訳ですので“淇凌qiling”“淇淋qilin”のように表記の仕方に揺れが生じるわけです。漢字それ自体の意味は関係なく、英語creamの末尾音「i長音+m」は中国語韻母に存在しないため、取り合えずそれらしい音の“ing”か“in”で間に合わせているという事情によります。
“凌 / 淋”どっちでもいいよと言いたくなりますが、Z君は早速手持ちのスマホで検索して“冰淇淋”だと確認し、“你喜欢吃什么冰淇淋?――我喜欢吃巧克力薄荷冰淇淋。”を完成させ発音教授しておりました。

サロン後に手持ちの中日辞典で改めて確認しますと、【冰激凌 bīng・jilíng】で項目を立てて、その中に‘冰淇淋’‘冰激淋’‘冰琪淋’とも表記すると添え書きがありました。二文字目についても“激 / 淇 / 琪”と表記の揺れが存在します。しかしZ君が確認したように、現在の中国のネット情報においては“冰淇淋”が優勢であるらしいです。
中国の検索エンジン“百度”で見てみると;

冰淇淋 百度为您找到相关结果约16,100,000个
冰淇凌 百度为您找到相关结果约4,020,000个
冰激淋 百度为您找到相关结果约11,500,000个
冰激凌 百度为您找到相关结果约14,100,000个

そして百度百科では【冰淇淋】として掲載、発音も[bīng qí lín] と記され、“冰激凌”で検索された場合に吸収する形になっています。もちろん百度百科が即言葉の規範だというわけではありませんが、現在においてどの表記が多数派であるかを窺う目安にはなると思います。

◎中国語サロンは毎週月曜昼休み(12:10~13:00)、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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