お知らせ・報告

20161227中国語サロン 换面/硬菜とは?

この日の中国語サロンは市民開放授業受講者の方を含め8人参加、年内最後の授業日とあって大学全体に人が少な目の一日でした。
 
小麦粉・小麦粉製品・小麦粉の如き粉状のもの等々色んな意味を持つ“面”という漢字が話題となり、その中で非常勤講師のC先生が「中国では家から小麦粉を持って行って、加工賃を払って機械でうどん等を作ってもらう店がある」と教えてくれました。そしてL先生に“你换过面吗?”と尋ねていました。“换面”は「小麦粉を取り換える」という動詞+目的語フレーズですが、家から持ち込んだ小麦粉と加工製品を交換するという意味合いになります。“换钱(両替をする)”“换车(乗り換えをする)”に見られるとおり“换”は使い勝手のいい動詞ですが、“面”と組み合わせることで中国の食文化を反映する独特な意味を持つところが実に面白いです。
 
そこからC先生が“~票”についても教えてくれました。毛沢東政権時代に流通した食糧(主食)配給切符を示す“粮票”は中国語学習者にもお馴染みですが、その他にも“油票”“布票”“肉票”などがあり、漢字が示す通り油・布・肉の配給に用いる切符であります。単位には“斤(1斤=500g)”“两(1两=50g)”を使用。年若い研究生のJさんなどはこれらの“票”を使った経験はもちろん無いわけですが、かつて家で節約して大事に貯めていて、結果使われることなく残った“粮票”を見たことがあると話してくれました。またC先生から実際にあった話として、“粮票”が流通していた当時父親の友人の息子さんが苦労して大学に入ったけれど栄養失調で体を壊し若くして亡くなってしまい、その枕の下には節約して大事にしていた“粮票”がたくさん残されていた、家族はそれを知って号泣したというエピソードを紹介してくれました。

今回は参加人数が少なめの回だったのですが、クリスマスや年末には人が大勢いた方が雰囲気出るよねと話していたときに、交換留学生のWさんがその雰囲気にはあと“一桌子肉”も必要だよねと冗談めかして口にしました。「テーブル」を意味する名詞“桌子”を量詞化して「テーブルいっぱいの肉(料理)」という意味になります。またそれに関連してC先生が“硬菜”という言い方があると教えてくれました。“硬”は本来なら字面通り「硬い」という意味ですが、ここでは「がっつりした食べ応えのある、肉系の料理」という意味になります。この“硬”の用法は多分辞書に載っていないでしょうとC先生が仰り、サロン後に数冊辞書・字引を調べてみたのですがこの用法を明確に示すものはやはり存在していない模様。百度百科の説明でも同様です。肉料理を指す言葉には“荤菜”という言い方もありますが(反義語は“素菜”)、「がっつり」感を示すには“硬”がぴったりくるようです。
ちなみにGoogle翻訳で“硬菜”と入力すると「ハード野菜」と出てきます。正しく翻訳されるのはいつになるでしょうか。


◎中国語サロンは毎週火曜昼休み、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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