お知らせ・報告

20161101中国語サロン 安心と信頼と実績の部首

学生、幼儿平安保险凭证

この日の中国語サロンは7人参加となりました。   画像は中国語ネイティブの研究生Jさんが、昔の書類の中に見つけたのでと持参して見せてくれた中国の学生対象の“保险凭证”=保険証書です。私が中国語学演習授業で資料として使っている小説の中に生命保険や自動車保険等々が出てきて話題となり、そのついでとして実物を見せてくれたものです(個人情報が関わる箇所は削除してあります)。 映画のチケットぐらいの大きさで、紙質は日本のものに比べるとやや素朴な感じ。右側に“注射狂苗任免限 额赔付伍拾元整”と判が捺してあり、狂犬病のワクチン接種は回数制限なしなどと記してあります。また字数も七言で揃えている(補足:文構造は揃っていませんが)ところなど、いろいろ日本との違いを感じさせてくれます。

  ネイティブのC先生から二十四節気の話が出て、清明や夏至や立冬など日本でもある程度知られているものもありますが、その話の流れで“明前茶”“谷前茶”という単語を教えていただきました。前者は清明の節気を迎える前に摘んで作る茶葉で、後者は清明が過ぎて穀雨(簡体字では“谷雨”)の前に作る茶葉。値段は言うまでもなく“明前茶”の方が高く、香り高くて美味しいとのこと。“明前龙井茶”のように、茶の種類の前に付けて用いる語彙でもあります。日本茶だと「新茶」や「八十八夜(のお茶)」などが定番の表現としてありますが、二十四節気を基準にしているのもやはり中国の文化です。これまで意識することのなかった語彙ですが、“明前茶”実物をいつか試してみたいものです。

  1年生のS君がサロンで中国語の語彙を増やすべく熱心に書き取りをしつつ参加していますが、中国語の語彙を増やすコツとして、C先生が「部首を意識して漢字を覚えるように」とアドバイスしてくれました。例えば“种”“稻”では共通しているのが「のぎへん」。普通の日本人は「のぎへん」の意味まで考えることはしませんが、これにもちゃんと意味があり、“禾”he2は古くは粟を指す字で、そこから穀物・植物を指すようになり、それが部首として用いられています。“禾”は漢字単体でも部首でも形が変わりませんが、“言”←→“说”や“食”←→“饭”に見られるように、部首になると簡体字では大きく姿が変るものがあります。日本人の目線から見ると省略しすぎじゃないかと思われるぐらいの姿をしている中国の簡体字ですが、C先生が仰った「部首は形が変わっても意味は変わらないから」、非常に基本的な事ですが、中国人の部首に対する揺るぎない見方を感じた気がします。安心と信頼と実績の部首と言ったところでしょうか。ただ日本人にとっては漢字の形だけでなく、その発音・ピンインを憶えるのもまた苦労があったりするものですが……

  ◎中国語サロンは毎週火曜昼休み、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。  

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