お知らせ・報告

20161018中国語サロン 穷游 と「しんどみがある」

“中国人民解放军总后勤部监制”なる安吉白茶 

この日の中国語サロンは市民開放授業受講者の方を含め8人参加となりました。
 
画像はL先生に提供いただいた“安吉白茶”、この日のお茶として出されたものです。面白いのは“部队机关指定用茶”を書かれており、よくよく見ると缶の下にも“中国人民解放军总后勤部监制”と記されています。“后勤部”は軍の後方支援を担当する部門のことで、国の軍部がこういう形で茶葉商品に名称を使っているところは、日本と中国の国柄の違いを感じさせます。日本の自衛隊だとレトルトカレーか缶詰あたりが商品としてポピュラーでしょうか。
なお、ネイティブのL先生もC先生も、このように銘打っている茶葉は初めて目にしたとのこと。味は普通に美味しい中国緑茶系風味でした。

1年生S君が中国語の前置詞・助動詞の使い方を覚えたいということで、C先生が丁寧に例文を挙げつつ解説してくれました。
中でも「~することができる」の意味を表す助動詞“会”“能”の違いは、中国語学習初級者にはなかなかピンとこないものですが、
你会不会游泳? (あなたは泳げますか?)
你能游多远? (あなたはどれぐらい泳げますか?)
など、“会”はごく基本的なことができるかどうか、“能”はできることを前提としつつその量を問うという、その対照的な性格をヒヤリングの練習も兼ねつつ、書き取りに励んでいました。
また併せて、
他很能吃。 (彼はとても大食いだ)
他很会吃。 (彼はとてもグルメだ)
のように、“能”はやはり数量に言及し、“会”は「その道のマスター・達人」に通じるニュアンスもあることが分かる好対照の例文も、C先生が紹介してくれました。

中国映画と撮影ロケ地について話が及び、あれは確か安徽省ではと話題になり、手持ちのスマホで検索したところ安徽省の宏村、西递などがドラマや映画のロケ地として有名とのこと。建物や橋といった建築様式も北と南では異なり、前者は四合院が代表格である四合式、後者は园林式が多く、南方の景色・建築物の味わいなど風光明媚なところは中国人も太鼓判です(リンク参照)。

最後には流行語の話題となり、L先生が研究生Jさんに近頃の中国の流行語はどんなものがあるかしらと尋ねたところ、Jさんの口からぱっと出てきたのが“穷游”、「貧乏旅行」ぐらいの意味ですが、“穷游”を専門に手配する旅行業者まで存在するなど、中国における旅行の多様化が進んでいることがよく分かります(リンク参照)。
 
翻って、日本の流行語には何がありますかとL先生から問われ、私の頭の中で気になっていた「○○みがある」表現を紹介。ツイッターでしばしば目にするようになった「ねむみがある」「やばみがある」「しんどみがある」等々、従来「語幹+さ」で名詞化していたものを「語幹+み」にずらして「○○みがある」の形式で形容表現としているものです。更には「ジブリみがある=ジブリ映画っぽい感じがある」など、「名詞+み」の派生表現も産んでいます。若い世代がしばしば用いている表現ですが、同じ若い世代に属する3年生のO君や1年生のS君は、意味は分かるし友達が使っていたりするけど自分は言わないと、ネットの言語とリアルな生活の言語で幾分ギャップがあるものです。L先生にJさんお二人とも日本語が堪能ですが、この表現はぱっと見て分からなかったということです。
中国語の流行語は語彙的なものが専らで、一方日本語の場合「○○み」のように語形変化に関るものも一部存在し、両国語の性格の差異が見て取れると思われます。L先生は早速家に帰ったらご主人に「しんどみがある」を使ってみると仰っていましたが、妙な日本語を覚えてきたと心配されるやもしれません。
 
◎中国語サロンは毎週火曜昼休み、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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