3. トラクタの安全な運転について
3.3 転倒事故防止に関する注意
トラクタ事故で発生の多い転倒の発生原因は以下の通りです。無理な運転は禁物です。
- 路肩の踏み外しや崩落による転倒、転落。特に、夕暮れ時の作業は危険です。
- 左右ブレーキペダルの連結を忘れて高速走行時の片ブレーキによる横転。
- 急旋回など走行速度に適応しないハンドル操作による横転。
- 片側の車輪が圃場凸部に乗り上げるか凹部に沈んだことによる横転。
- 後輪がぬかるみなどにはまり無理に脱出しようとするときの後転。
- 重量物けん引でけん引点が高すぎる時の後転。
- フロントローダに過積載してバランスを失ったことによる転倒。
- 上り坂での急発進による後転。
(「生物生産機械ハンドブック 農業機械学会編」より)
農道から圃場への出入りは、できるだけ高低差のないところを選び、農道に対して直角方向に進みます。
畔などの段差のあるところを登るときは、後退でゆっくり進み、途中でギアの変更をしてはいけません。また、後輪タイヤの直径の4分の1以上の高低差があるところでの出入りは避けるか、あゆみ坂(ブリッジ)を利用します。
ロータリ作業機などを装着し、段差のあるところを乗りこえるときは、作業機を停止し、その下端を地上10cmくらいの位置までおろし、後転を防止します。
傾斜地の作業は傾斜が6度くらいが安全の限界です。横転を防止するため、できるだけ等高線と直角になるような運行方向で作業します。