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2012年度 冬のフィールド管理演習を実施しました【2月5日~2月8日】

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歩くスキー
歩くスキー
雪はね(雪かき)実習
雪はね(雪かき)実習
講義風景
講義風景
アニマルトラッキング
アニマルトラッキング

2月5日から8日の3泊4日の日程で、加藤正人教授(http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.OhyNPUkh.html)らが開講する「冬のフィールド管理演習」が農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター(AFC)演習林と須坂市峰の原高原および筑波大学菅平高原実験センター(http://www.sugadaira.tsukuba.ac.jp/)で実施されました。この演習は、毎年全国の大学生の受講を募集しており、今年度も琉球大学、京都大学、筑波大学といった各地の大学生が参加しました。また、今年度は大学院生の参加もあり、分野も年齢も様々な学生が集まり、意見交換や交流も活発に行われました。

 

演習初日は、農学部構内でガイダンスの後、演習林を見学しました。
その後、受講生は積雪の多い信州の冬について学ぶため、菅平高原へ大学のバスで移動しました。夕食後、積雪の多い地域での雪はねや歩くスキーなどについて講義がありました。多雪地域での生活経験も豊富な加藤教授による講義は実体験に基づいた視点や話題も多く、翌日以降の実習の心構えを学ぶことができました。

 
演習2日目は、冬の森林調査で重要な雪上での移動技術の習得を目指しました。午前中はまず、歩くスキーの実習が行われました。歩くスキーに関しては初心者がほとんどだったため、丁寧に基本を学んだ後、根子岳山麓の森林へでかけ、林内の移動、斜面の登坂、滑走など技術習得に臨みました。午後はスノーシューに履き替え、午前中とは別のコースで冬の森林を歩きました。夏季はササや藪等に阻まれ移動するのが難しい林内も、積雪によって移動しやすくなり、歩くスキーやスノーシューの技術があれば冬のフィールドでの行動範囲が格段に広がることを受講生は実感したようでした。


夕食後は峰の原高原のペンションオーナーの方から、雪の多い地域での暮らしについて講義いただき、雪の魅力や雪国での苦労などのお話を聞きました。また翌日の雪はね(雪かき)ボランティアの受入先であるペンションやお宅の簡単な紹介をしていただきました。

 
演習3日目は、グループに分かれて峰の原高原のペンションや地域の方のお宅へ伺い、雪はねボランティアと地域の方との交流を行いました。峰の原地区での生活やペンション経営の苦労や楽しさ、峰の原高原の自然など、この地に暮らす方だからこそわかる様々なお話をそれぞれのお宅で聞かせていただきました。

 

午後は、スノーシューを履いて、ペンションオーナーの方に峰の原の自然を案内していただきました。高原から見える山々、この地域特有の植物、歴史や現在の様子について、実際に歩き、観察しながら解説していただきました。

 

夕食後、筑波大学菅平高原実験センターの町田龍一郎教授と田中健太准教授の講義があり、町田教授からはアニマルトラッキングについて、田中准教授からは森林生態学の最新の研究についてお話していただきました。

 

演習最終日は前日の講義に引き続き、町田教授と田中准教授によるアニマルトラッキングと冬の森林観察が筑波大学菅平高原実験センターで行われました。フィールドに出て、実際にウサギやキツネ、テンなど様々な動物の足跡を観察し、見分け方やどんな行動をとっていたのかなど、足跡からわかることを考え、学びました。


そして、最後に4日間の実習を振り返るディスカッションが行われました。他大学や他分野、学年の異なる学生や教員、地域の方との交流ができて視野が広がったといった声や、冬の積雪期の森林に入る機会はめったになかったという受講生からは、積雪により見通しの良くなった林内で樹形の観察等から夏季とは異なる森林の姿を知ることができ、大変興味深かったといった声などが聞かれました。また、受講生の演習全体の満足度を5段階で記載した結果、大変満足19名、満足4名、普通0名、不満0名、大いに不満0名でした。結果に奢ることなく、演習の良かったことや改善点の意見を参考に、教職員とティーチング・アシスタントの学生でスタッフ・ミーティングを重ね、次年度に向けてより良い演習プログラムを検討しています。3泊4日の同じ釜の飯を食べる冬のフィールド体験が信州の良い思い出づくりになるようにスタッフ一同努力したいと考えています。

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