平成24年度 アルプス登山学演習を実施しました(9月4日~9月7日)

一般の方へ

実習の様子
実習の様子
スタッフの補助の下、真剣な表情で登ります。
スタッフの補助の下、真剣な表情で登ります。
標高が上がり、亜高山帯の針葉樹林に変化してきました。
標高が上がり、亜高山帯の針葉樹林に変化してきました。
講義で作成した天気図
講義で作成した天気図
遭難の碑を見学し、山の危険や安全確保の重要性を確認
遭難の碑を見学し、山の危険や安全確保の重要性を確認

9月4日から7日の4日間、小林元准教授(http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.ZNfCgUfp.html)らが開講する「アルプス登山学演習」が農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター(AFC)西駒ステーションにおいて実施されました。
この演習は、公開講座としても開講しており、本学農学部の学生のほか、他学部や他大学からの学生が参加しました。琉球大学、島根大学、高知大学、静岡大学、日本大学など全国各地の大学生と意見を交わしながら、中央アルプスの自然について、実践を通して学びました。昨年度に引き続き今年度も、本学卒業生であり世界的に活躍するアルパインクライマー馬目弘仁氏を講師として招き、演習を実施しました。

 

演習初日は、ガイダンスや自己紹介、西駒ステーションの位置する中央アルプスの自然についての講義が荒瀬輝夫准教授(http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.uNyhPUkh.html)によって行われました。
その後、西駒ステーションの宿泊施設へ移動し、装備の点検やザイルワークの説明等を受けた後宿泊し、翌日からの演習に備えました。

 

2日目は、早朝に出発し、西駒ステーション内を流れる小黒川で渓流遡行とザイルワークの実習を行いました。
普段の生活では足を踏み入れることのない中央アルプスの渓流で、遡行技術を訓練し、基本的なザイルワークを学びました。
また、渓流の自然も、普段なかなか間近に見ることはできません。今回、渓流遡行を行ったことで、「点」ではなく、下流から上流へ「線」として渓流の地形や植生を実際に見ることも、貴重な経験になったのではないでしょうか。

 

このあと、西駒ステーションの宿泊施設へもどり、夕食後は馬目氏による世界の山岳について講義がありました。受講生は、世界の山々の写真をみて、日本の山とは違う環境が存在することを学び、山岳に関する視野を広げる機会となりました。

 

3日目は、一般登山道である大樽ルートから将棊頭山(標高2730m中央アルプス最北端の山)を目指しました。
地図とコンパス、GPSを用いて地形図から現在地等を読み取ったり、見えている山の名称を地形図から読み取る山座同定などをおこなったり、読図について実践を通して学びました。これは山岳地帯をフィールドとする場合、必須の知識と技術となります。
また、登りながら植生が変化していく様子も観察しました。カラマツやブナが生育する落葉樹林からシラビソやオオシラビソが生育する亜高山帯針葉樹林へ、そしてハイマツの広がる高山帯へ変化する様子を確認しました。
この日の宿泊場所は、将棊頭山直下(標高2685m)の西駒山荘(http://www.ina-city-kankou.co.jp/nkss/)です。ここでは、気象についての講義を小屋番の宮下氏より受けました。天気図の基本から書き方まで学び、実際に気象通報を聞きながら、天気図を作成しました。また、天気図から、その後の気象の変化の予測等も行いました。この他、高標高地での気象や気温等についても学びました。

 

4日目は、西駒山荘近くにある「遭難記念碑」を見学し、山にひそむ危険や安全確保の重要性を確認しました。
その後、下山を開始しました。途中、現在進行形で行われている地球温暖化に関する研究調査地を見学し、温暖化が高山帯に及ぼす影響に関する最新の研究成果についても説明を受けました。
この他、前日の実習で学んだ地形や気象と絡めて、植生・地形・気象(気温)の密接な関係についても学びました。例えば、雪崩の発生しやすい地形では植生が違うことが分かり、逆に植生の違いから雪崩が発生しやすい場所なのかどうかがわかることなどを、実際にフィールドを観察しながら学びました。

 

今回の演習では、登山における危険とその回避方法、安全の確保についてなど、今後、山岳環境をフィールドとして調査・研究を行う学生にとって必須となる知識や技術を、実践を交えて学びました。また、植生や地形・気象など、異なる分野がフィールドでは密接に関わっていることなど、多くのことを学べたのではないでしょうか。

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