食料生産科学科
農学分野
 

農業生産や生態系に影響を与える外来植物のモニタリング

 
 
   雑草学研究室では,外来植物の地理的・空間分布の解明に関わる研究に取り組んでいます。グローバル化が進み海外との人的・物質的移動が頻繁になると生物の移動も国家を超えて生じます。外来植物はすでに数多くの種類が国内に定着し,雑草化して農業や生態系に被害を出しています。また,国立公園など自然度の高い環境でも雑草侵入が問題となっています。雑草学研究室では雑草の分布状態を簡易に把握する方法を確立し,発生のモニタリングと蔓延防止技術につながる研究に取り組んでいます。
 
圃場観測用UAV(小型無人ヘリ)を利用した雑草観測
 
 雑草学研究室  研究から広がる未来    
   身の回りにどのような植物があるのか,我々はほとんど意識しないまま普段過ごしています。外国から来た植物は,日本人に馴染みがないため,多くの場合,嫌われ者となっていますが,その生態や分布を理解していません。一度侵入した外来生物は,多くのコストや人手をかけても根絶することはできません。根絶できないのであれば,共存するしかありませんが,農業生産や生態系に被害が出ないうちに,早めに見つけ出して,対策することが必要です。雑草学研究室では,外来植物のモニタリング調査を通じて問題となる植物を早期に発見する研究を,UAVなど最新機器を使いながら行い,汎用性のある観測技術を作りたいと考えています。
   
   卒業後の未来像    
 渡邉 修 准教授

農林水産省草地試験場特別研究員・岐阜大学流域環境研究センター研究員,農研機構研究員を経て2005年4月より信州大学農学部。外来植物,雑草の分布・生態調査をベースにした植生管理技術に関わる研究を行っている。山岳域の植生管理に関する研究にも従事している。
 フィールドにおける雑草調査を通じて,農業生産の現場で問題になってる生産阻害要因について整理し,生産効率を下げずに持続的な農業を行う技術を身につけます。国や県,自治体と連携し,雑草問題解決に向けた取組を行うことができる人材を育成します。