化学固定
試薬
- 70%グルタルアルデヒド
- 10%パラフォルムアルデヒド(当日作成する。)
- 粉末試薬を蒸留水に溶かす。
- 加熱し、1 N NaOHを一滴加え溶解させる。
- 冷やす。
- 0.2Mカコジル酸バッファー(pH 7.4) ヒ素含有 取扱い注意
- 洗浄液
- 0.1Mカコジル酸バッファー(pH 7.4) ヒ素含有 取扱い注意
- 前固定液
- 0.1Mカコジル酸バッファー(pH 7.4) ヒ素含有 取扱い注意
- 4%パラホルムアルデヒド
- 0.5%グルタルアルデヒド
- エタノールシリーズ(50, 70, 80, 90, 95, 100%)
- 100%エタノールにはモレキュラーシーブを入れておき、数日間静置。
- プロピレンオキサイド
- Spurr樹脂
- ERL 4206 10 g 樹脂はスポイトで量り取る
- DER 736 6 g
- NSA 26 g ここまでを混ぜてから、次にS-1を加える。
- DMAE (S-1) 0.4 g
- LR White樹脂
- TIブルー
- クエン酸鉛
固定
- 試料を3mm程度にカミソリで細切する。
- 前固定液(5-10 ml in a vial or 1.5 ml in a 2 ml tube)に試料を加える。(氷中)
- 2-3分間脱気する。
- 氷中で2時間静置する。
- 洗浄液で30分間3回洗浄する(スポイト操作)。(氷中)
- 蒸留水で5分間3回洗浄する。(氷中)
- 氷上にシャーレを置き、そこに根をひろげる(少量の水を加えておく)。
- カミソリを用いて根を0.5mm程度に細切する。
- 細切後、素早く20%エタノールに加える(2 mlマイクロチューブ使用)。
脱水
- 20, 50, 70, 80, 90, 95%エタノールで20分づつ脱水する(液交換はスポイトで行う。ここからは回転機を使う。)。(冷蔵庫)
- 100%エタノールで20分づつ3回脱水する。(冷蔵庫)
- 100%エタノールで一晩脱水する。(冷凍庫)
- 冷蔵庫に移す。
樹脂浸透
LR White 1
- 100%メタノールに30℃で30分間浸漬させる。
- 無水エタノールで1回洗浄(4℃30分)する。
- 100%ジメチルホルムアミド(DMFA)で2回洗浄(4℃10分)する。
- DMFAで希釈したLR White樹脂シリーズ(20, 40, 60, 80%)で各30分間4℃で浸透させる。
- 100% LR Whiteで2回浸透させる。30分間4℃(このままオーバーナイト)
- 100% LR Whiteで3回浸透させる。60分間4℃
- ビームカプセルにLR Whiteを一杯にまで充てんさせる。
- 根をシャーレにあけ、爪楊枝を使って根を1−2本加える。
- 根が沈んだことを確認し、爪楊枝を使って根をなるべく中央に移動させる。
- 空気がなるべく入らないようにしっかりふたをして、-20℃で12時間程度紫外線重合装置で固化させる。
LR White 2
- 室温に戻す。
- 20% LR White(エタノール)で30分浸透させる。
- 40% LR White(エタノール)で30分浸透させる。
- 60% LR White(エタノール)で30分浸透させる。
- 80% LR White(エタノール)で30分浸透させる。
- 100% LR Whiteで2回樹脂を入れ替える(残った液を綿棒でよく拭き取る)。
- 100% LR Whiteで一晩浸透させる。
- 100% LR Whiteで3回で3時間浸透させる。
- 100% LR Whiteの入ったゼラチンカプセルに移す。
- -20℃で紫外線重合する(12時間程度、事前に重合時間を見積もる必要がある)。または、55℃で24時間重合させる。
Spurr
- 室温に戻す。
- プロピレンオキサイドで5分づつ2回置換する。
- Spurr樹脂:プロピレンオキサイド(1:2)で1時間浸透させる。
- Spurr樹脂:プロピレンオキサイド(1:1)で1時間浸透させる。
- Spurr樹脂:プロピレンオキサイド(2:1)で1時間浸透させる。
- Spurr樹脂:プロピレンオキサイド(3:1)で1時間浸透させる。
- Spurr樹脂:プロピレンオキサイド(4:1)で1時間浸透させる。
- Sppur樹脂で1時間以上浸透させる。
- Sppur樹脂で一晩浸透させる。
- Sppur樹脂で3回で3時間浸透させる。
- 70℃で8−12時間重合させる。
トリミング・セクショニング
- トリミングする。
- 200 nmのセクションを作成し、シランコートスライドグラスに張り付ける。(光顕)
- 80 nmのセクションを作成し、Niグリッドにのせる。(電顕)
免疫染色
- イムノセイバーで加熱処理する。(必要に応じて)
- 10% H2O2/メタノールで10分間エッチングする。(Spurr樹脂の時)
- 5% BSA/PBS pH7.3で30分間ブロッキングする。
- 1/100一次抗体(濃度検討必要)in 5% BSA/PBS pH7.3(またはin Can Get Signal)で2時間反応する。
- PBS pH7.3+0.05 Triton X-100で洗浄する。
- PBS pH7.3で洗浄する。
- 1/5000 horseradish peroxidase (HRP)標識二次抗体in 0.5% BSA/PBS pH7.3(またはin Can
Get Signal)で1時間反応する。(光顕)
- 1/20 10 nm金コロイド標識二次抗体in 0.5% BSA/PBS pH7.3(またはin Can Get
Signal)で1時間反応する。(電顕)
- PBS pH7.3+0.05 Triton X-100で洗浄する。
- PBS pH7.3で洗浄する。
- 1%グルタルアルデヒド溶液で30分間固定する。(金コロイド標識抗体の場合)
- 密閉容器にオスミウム酸溶液の液滴とメッシュを並べておき1時間置く。(金コロイド標識抗体の場合)。毒劇物のためドラフトで。
- 蒸留水で洗浄する。
- DAB溶液で染色し(3-30分間)、蒸留水で洗浄する。(HRP標識抗体の場合、電顕、光顕)
- エンハンサーで染色する。(HRP標識抗体の場合、光顕)
- 1%オスミウム酸溶液または1%テトラクロロ金酸ナトリウム1で1分間染色する。(HRP標識抗体の場合、電顕)
- 乾燥させる。
1. Newman GR, Jasani B, Williams ED 1983: Metal compound intensification of
the electron-density of diaminobenzidine. J. Histochem. Cytochem., 31,
1430-1434.
電子染色1
- Tiブルーで染色する。
- 蒸留水で3回洗浄する。
- クエン酸鉛で染色する。
- 0.1N NaOHで1回、蒸留水で2回洗浄する。
- 乾燥させる。
電子染色2
- 2.5%酢酸ガドリニウム(Gd(CH3COO)3) pH 3(酢酸で調製)で20分染色する。
- 蒸留水で3回洗浄する。
- クエン酸鉛で10分染色する。
- 0.1N NaOHで1回、蒸留水で2回洗浄する。
- 乾燥させる。
電子染色の試薬はなるべくフレッシュでろ過したものを使用する。