[橋梁路面の凍結現象のメカニズムの解明と軽減のための技術開発]




橋梁
実大橋梁(中田切橋梁、長野県上伊那郡飯島町)において、橋体に15箇所の温度計を埋設して、橋全体の温度をモニタリングしています。加えて、各種気象要素の観測を行い、「橋はなぜ前後の道路より早く積雪・凍結が始まるのか」を明らかにしました。この結果をもとに、「どうすればこの現象を抑制できるか」について検討を行い、いくつかの技術を開発し、更によりよい技術の開発に努めています

橋梁路面は、前後の道路部分よりも早く積雪が進み、凍結します。また、晴れた日でも橋梁路面だけが凍結していることがよくあります。凍結した橋梁路面が危険であることは、「凍っていない」道路を走行中に急に凍結路面を走行することでスリップ事故の原因となるからです。海外でもfrozen bridgeとして知られているだけでなく、日本では本四連絡橋での凍結も報告されています。研究では、なぜ橋梁路面の凍結は発生するのかに伝、物理的な視点で解明しています。

SUZUKI,Ohba,Uchikawa, Hoshikawa and Kimura:Monitoring of the temperatures on a real box guilder bridge and energy budget analysis for basic information of bridge cooling and surface freezing, Journal of bridge engineering, ASCE(アメリカ土木学会) , 12(1):45-52 2007

前後の道路部分よりも早く積雪が進み、凍結した橋梁路面は、スリップによる重大な事故の危険をはらんでいます。橋梁路面の凍結が危険であることは、「凍っていない」道路を走行中に急に凍結路面を走行することになるからです。したがって、大雪などで橋梁だけではなく道路にも積雪が進み、凍結しているときには、橋梁路面の凍結を抑制する必要が無いと考えました。そこで、橋梁路面だけが凍っているときにこの凍結を抑制する装置を開発しました。

SUZUKI & Hoshikawa:Proposed Curing Method for Grouting Concrete within Box Guilder Bridges in Cold Regions and during Cold Seasons、Cold Region Engineering 2006, ASCE(アメリカ土木学会) 2006 橋梁路面の凍結抑制装置(特許番号:特許第4696246号)(http://plidb.inpit.go.jp/pldb/html/HTML.L/2008/004/L2008004004.html#TOPL)、Freezing Restraining Device for Bridge Road Surface and Evaluation of Its Effects、ASCE, CSCE , Fifteenth International Specialty Conference on Cold Regions Engineering(Quebec, CANADA) 2012(Jan.) Author:Jun SUZUKI and Takashi SAITO

橋梁路面の凍結は、@日中の風による顕熱損失が道路より多い、A薄い橋体材が太陽光を蓄積しきれない、ことによる橋梁路面の低温化が原因であることを突き止めました。このことを改善するための橋梁の構造や形式の開発を,現在,行っています。




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