北海道足寄町 ミズナラ天然林

北海道の足寄町(あしょろちょう)にある九州大学農学部附属北海道演習林において、ミズナラ天然林の長期動態を調査しています。2006年に襲来した大型の低気圧によって、多くの樹木が根返り、幹折れ、傾斜などの被害を受けました。このミズナラ林の攪乱跡地では、すでに新しい芽生えが更新しています。
→九州大学 北海道演習林のホームページ



ミズナラ天然林とその動態

足寄1 足寄2
足寄町のミズナラ林の林床はササに覆われています。一般に、ササは樹木の更新を妨げると考えられています(左)。このミズナラ林には、胸高直径が60cmを超える巨樹も多く存在します(右)。
足寄3 足寄4
2006年の風害によって幹折れ(左)や傾斜(右・奥)のような被害を受けました。このような被害をうけることで、森林の林冠には林冠ギャップと呼ばれる大小の空隙が生れます。林冠ギャップの形成により、森林内の環境は大きく変化します。
足寄5 足寄6
幹折れや傾斜以外にも、根返りと呼ばれる被害形態があります。根返りでは、林冠ギャップだけでなく、局所的な地表攪乱も生じます。この地表攪乱によって、更新を妨げるササがない状態が一時的に作られます。左側はシラカンバの、右側はミズナラの根返りの様子です。
足寄7 足寄8
根返りによって剥ぎ取られた地面側は「ピット」、持ち上げられた根株側は「マウンド」と呼ばれています。いずれも樹木の更新適地として重要です。しかしながら、更新している樹種や初期成長は、ピットとマウンドで違いがあるようです。


Photo by K.S.Maruyama







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