[樹木の成長や環境適応に関わるカリウムイオン膜輸送の仕組み]




樹木を含む植物の環境への適応には、個々の細胞での水、無機イオンの取り込み調節、異物の排出などの機能が不可欠です。様々なイオンや物質のうち、カリウムイオン(K+)は植物体内で最も豊富なイオンであり、気孔の開閉、浸透圧の調節、細胞の増殖など、植物の成長や環境適応において中心的な役割を果たしています。当研究室では、樹木でのK+膜輸送(細胞膜や液胞膜を横切った排出、取り込み)の仕組みについて研究を行っています。


スギの木 スギのカリウムイオン膜輸送体遺伝子の解析
+の細胞膜や液胞膜を横切った排出、取り込みは、膜中に存在するチャネル、トランスポーターと呼ばれるタンパク質によって行われています。当研究室では、日本の主要林業樹種の1つであるスギからK+チャネルやK+トランスポーターをコードする(生産するための情報を持つ)遺伝子を単離しました。これらの遺伝子や遺伝子情報に基づいて作られる膜輸送体の機能・特性について研究しています。
スギ膜輸送の図
画像の説明 ポプラのカリウムイオン膜輸送体遺伝子の解析
ポプラは国内外で乾燥地や砂漠の緑化に利用され、遺伝子研究でもモデル樹木として用いられる有用な樹木です。当研究室では、ポプラからK+膜輸送体をコードする遺伝子を複数個単離しました。これらの遺伝子とその産物である膜輸送体について解析を行っています。
ポプラ膜輸送の図




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