[樹木が作り出す木質バイオマス(木材)をミクロな視点で科学する]




地球上で最も豊富なバイオマス(再生可能な生物由来の資源)は、森林由来の木質バイオマス(木材)です。そのため、木材の持続的な利用と再生産は、人間生活と環境保全の両立に大きく貢献するものと期待されています。当研究室では、樹木が生命活動の一環として樹幹中に木材を作り出す仕組みや、作られた木材の性質について、ミクロな視点から研究を行っています。


細胞壁 樹木が木材細胞壁を形成する仕組みの解明
木材を構成する実体は木部細胞が作る高度に発達した細胞壁であり、木材の性質や機能は細胞壁の性質に左右されます。従って、木材を有効利用するためには、細胞壁の構造、性質、そして形成過程についてよく知ることが必要です。当研究室では、木部細胞壁の形成メカニズムを明らかにするために、電子顕微鏡を用いた細胞壁微細構造の観察、細胞壁の形成に関わる遺伝子の解析などの研究を行っています。
実験の図
高温セット解析図 高温セット法により乾燥した木材細胞壁の構造・性質
高温セット法は、蒸気式乾燥機中で生材状態の柱材を高温低湿条件で乾燥させる人工乾燥法です。この方法は、短時間で表面割れの少ない乾燥材を得ることができ、未利用の間伐材を有効利用するための対策の1つとして期待されています。当研究室では、高温セット材と天然乾燥材の違い、高温セット法の処理条件の違いによる木材の性質への影響の違いなどについて、細胞壁微細構造や木材を構成する化学成分に着目して調べています。




研究テーマに戻るトップページに戻る