苗が水に浮いてしまうと、根が土の中にうまく入っていかなくなり、苗の生長が悪くなったり、根の張りが弱くなって、倒れやすい稲になってしまいます。
完全に浮いてしまった苗はやがて枯れてしまいます。
苗が浮かないようにするために、発芽して苗が生長しはじめる頃(苗が浮きはじめる頃)に排水して、根をしっかり土の中に伸ばさせるようにすることが必要になります(この作業を「芽干し」と言います)。
ですが、この「芽干し」のために排水すると、苗がスズメに食われたり(水が溜めてあるとスズメは苗を食べられません)、水の保温効果がなくなってしまいます。
東京ではカルガモが毎年人気を集めていますが、水田地帯では厄介ものなのです。
害鳥とか厄介ものという表現は、あくまでも農業の立場からいえば、ということですので、悪しからず。
●スズメは水に弱い
田んぼに溜めた水が深さ5cm程度以上あれば、水の中に入って苗を食うことはしません。
でも、水が浅くなったり、排水してしまうと一斉に食いにやってきます。
●カモは水に強い
強いというより大好き。だって、水鳥なんですから。水が溜まっていて、おいしい餌(お米)がある田んぼにやってくるのは無理もない。カモが厄介なのは、スズメよりも体が大きいので、田んぼの中を泳ぎまわられるだけで、苗を食わなくても、苗がなぎ倒されたりしてしまうこと、割に夜の間に「食事」をすることが多い夜行性のようで、人間にとっては追い払うのが大変。
※私は鳥の専門家ではないので、不適切な表現があるかもしれないことはお断りしておきます。