田んぼの泥の中でも種がうまく発芽して苗が良く生長するようにする薬、それが「過酸化石灰」という薬です。
過酸化石灰を種に塗り固めて作った種(コーティング種子とか被覆種子といいます)だと、田んぼの泥の中にいてもうまく発芽し、苗が良く生長します。
過酸化石灰は以下のような反応で水と反応して、酸素を出します。
この反応で水酸化カルシウムというものができますが、土の中ではすぐに炭酸カルシウムなどに変化します。
炭酸カルシウムはカルシウムを補うための肥料として使われているものです。
2CaO2+2H2O→2Ca(OH)2+O2↑
(過酸化石灰+水→水酸化カルシウム+酸素)
非常に小さくて扱いにくい種に土をくっつけて大きくして扱いやすくしたり、吸水性の高い資材を種にくっつけて乾燥地でも種が発芽しやすいようにしたり、農薬、肥料などを種にくっつけるなど、種にいろいろな資材をくっつけて作った種をコーティング種子と呼んでいます。
過酸化石灰という薬だけでは種からはがれやすいので、「接着剤」の役目をはたす石膏を混ぜたものを種にくっつけます。
コーティング種子を作っている様子 過酸化石灰をつけたコーティング種子