バイオライフサイエンス部門

田中沙智
食品免疫機能学研究室

部門概要

私たちの体内環境は、食生活の乱れや加齢、大気汚染、ストレスなどの生活環境を取り巻く様々な要因によって悪化し、免疫機能が低下すると言われていますが、そのメカニズムの全容解明には至っていません。そこで本部門では、食品摂取を含む環境因子が免疫機能に及ぼす影響について解析し、その分子メカニズムを明らかにします。
さらに、食品中の未知の免疫調節機能の解明や、新たな創薬ターゲットの発見、感染症やアレルギー疾患、がんなどの各種免疫関連疾患の予防につながる食品成分の同定を目指し、健康長寿社会に貢献する先端的な研究を展開します。

研究テーマ

1)食事制限に伴う免疫機能制御メカニズムの解明

一般に肥満の状態は免疫機能が低下しますが、通常の食事のカロリーを30%制限することにより免疫機能が高まることが知られています。しかしながら、食事制限によって変化する遺伝子とその発現の制御に関わる因子は未解明です。そこで、食事制限によって著しく変化する遺伝子に着目し、その免疫機能に与える影響について分子レベルで明らかにします。

2)ストレスに伴う免疫抑制のメカニズムの解明

私たちの体はストレスを受けると、神経系、内分泌系、免疫系が影響を受けて様々な体の不調が現れます。その中で、ストレスによって誘導される免疫機能の低下はよく知られていますが、その詳細なメカニズムや遺伝子制御については不明です。そこで、ストレスで誘導される免疫関連遺伝子の発現変化を解析し、免疫系の機能低下において中心的な役割を担う遺伝子、マイクロRNA、タンパク質、脂質メディエーターなどの諸因子を同定し、免疫抑制のメカニズムを明らかにします。

3)信州産野菜に含まれる機能性成分の同定と免疫調節作用メカニズムの解明

免疫機能を維持するためには、毎日の生活の中で免疫の状態を整える成分を含む食材を摂取することが簡便であり、且つ効果的であると考えられます。長野県には、気候風土に適応して栽培されてきた他にはない多彩な味や形、香りを持つ野菜が数多く存在します。そこで信州産の農産物からの機能性物質の単離・同定を行い、その免疫機能を整える有効性について評価し、免疫調節制御メカニズムの解明を目指します。