バイオリソース部門

上野豊
生物資源研究室

部門概要

生物多様性の把握・評価をもとに新たな生物資源(バイオリソース)を探索・収集する遺伝子銀行としての機能と、それらを生きた状態で安定的に保存・提供するカルチャーコレクションとしての機能を連携させた教育研究を行います。
また、バイオリソースを実用的な産業シーズに展開させる産業創出部門として、得られた知見の国内外への情報発信および技術展開を図ります。

研究テーマ

1)未利用資源(食品系素材)の飼料化によるエネルギー循環系の構築

食品製造残渣や食品廃棄物の飼料利用は、資源循環のサイクルを完成させるために有効な手段ですが、嗜好性や栄養素の消化吸収性が低くなる場合があります。
そこで、家畜による栄養消化吸収の仕組みを微生物学的、分子生物学的に解明することにより、個体の嗜好性が高くかつ給与による栄養的・環境的効果が期待できる、これまで使われなかった新しい資源の飼料化を模索します。

2)動物消化管微生物の新規機能探索と遺伝子資源化

円滑な資源循環を達成する上で、食品・飼料中の有害物質(抗菌性物質、残留農薬、カビ毒)の系内蓄積が問題となります。一方で動物消化管には多種多様の細菌が棲息しており、その中にはこうした有害物質を分解できることを示すものもいます。
そこで、消化管細菌が持つ有用な機能を生体内または工業的に利用可能とするための研究を行っていきます。

3)地域固有生物種の生物資源・遺伝子資源の両面保存

長野県特産品のひとつであるきのこ類を中心に、地域生物資源の個体レベルでの保存と遺伝子レベルでの保存を並行して行うことを通じて、収集資源の品質管理・復元体制確立および種、品種、系統などの個体情報と遺伝子発現情報の知的基盤化を図ります。
また、希少有用きのこ類の林地栽培、希少山野草類の園芸・盆栽化、山菜・薬草類の栽培化など、いま目にしている伊那谷の美しい風景を「ありのままの形で」保存する技術の開発を進めていきます。