活動方針
住宅を始め建築物は全て、気候風土などの地域性に適していることが求められる。信州の地にある大学の研究センターとして、地域性を考慮した建築物 について、研究、開発を行うことは、信州大学としての重大な責務の一つである。信州共生住宅研究センターは信州大学工学部建築学科と一体となり、地域性を 考慮した建築物に関わる研究、開発を行ってきている。しかし、センターが所有する知的・人的資産、実験装置などの設備類及びその研究成果が、地域に十分に 還元されているかと考えると、必ずしも十分とは言えないのが現状である。
そこで今後の信州共生住宅研究センター活動の柱として、地域・住民からの要望に応える組織作りを進めていく。実行する内容は、地域の古くなった住 宅を解体新築するか、耐震補強・省エネ改修・快適さを向上させるためのリフォームをして使い続けるかを、公正さを持ちながら専門的に調査判断し、アドバイ スできる組織にする。商業ビルのリノベーションなどについても同様に対応する。また、地方公共団体が行おうとするまちづくりなど、抱えている様々な課題に 対して、その地をフィールドとした調査を行い、得られた結果から適切なアドバイスができる組織にする。
こうした活動は信州共生住宅研究センターに属する研究者だけではなく、地域の建築家、建築技術者、都市計画家、地方公共団体、地域住民などを巻き 込むことにより実現すると考える。そのために信州共生住宅研究センターの活動を広く情報発信し、その趣旨を幅広く告知していくことから活動を始めていく。
主要業務
- 建築関連の民間企業からの依頼研究及び共同研究の受け入れ
- 建築関連の行政機関からの要請業務への対応
- 大学からの建築技術の紹介
- 建物の新築、リフォームに関する技術相談、技術指導
- 建築に関する先端技術の習得と提供
- 一般市民に対する定期研究発表会の実施
- 建築技術者、学生、市民に対する実践的教育の実施
- 他大学及び研究機関との技術交流
- 他の研究会との産学連携
研究課題
- 長野県の気候に適した省エネルギー住宅の建設技術の開発
- リフォームに関する技術開発
- 地域エネルギーの活用による建物の二酸化炭素排出削減技術の開発
- 伝統的構法による住宅の保存、再生技術の開発
- 伝統的地域コミュニティにおける住宅の保存、再生技術の開発
- 長野県産材の活用による住宅の建築技術の開発
- 長野県の気候、風土に適した住宅のデザイン開発
- 長野県特有の公共空間のデザイン開発
- 住宅の防災対策技術
研究分野
- 建築デザイン
- 建築計画
- 地域計画
- 建築史
- 建築保存再生
- 建築構造力学
- 鋼構造
- 建築構造設計
- 建築材料
- 防災
- 建築地盤
- 振動
- 木質構造
- 鉄筋コンクリート造
- 建築環境
- 建築設備
- 都市環境 など
施設設備
- 製図室:建築設計製図及び建築デザイン
- 200tアムスラー型試験機:静的加力試験
- 20t疲労試験機:金属接合部疲労試験
- 低温実験装置:温熱環境実験
- 給排水実験装置:各種給排水実験
- 無響室:各種音響実験(総合研究棟実験室)
- 恒温恒湿実験室:各種温熱環境実験(総合研究棟実験室)
- 地震計:地震観測
- 気密測定器:住宅の気密性測定
- 分光放射計:可視、近赤外域の分光反射強度計測
- 騒音解析装置:環境騒音調査
- 温熱環境測定器:温度、相対湿度、サーモカメラ、グローブ温度、風向風速計等による計測調査