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2019.06.28 【インタビュー

【教育学部】宮崎 樹夫学部長

2019年5月20日(月)
男女共同参画推進センター長が教育学部長の宮崎樹夫先生にインタビューしました。


教育学部における男女共同参画の現状と課題


中島:教育学部長へのご就任おめでとうございます。まず、教育学部の男女共同参画の現状について教えていただけますか。


kyouikumiyazakigakubucho.JPGのサムネイル画像宮崎:教育学部では、女性教員の採用に積極的にとりくんでいますが、もっと女性のスタッフが必要と常々考えています(令和元年5月1日現在、女性教員比率21.3%)。教育学部には女子学生が多いですし、先進国の学校をみますと特に小学校は女性の職場です。日本でも今後そうなっていきますから、もっと女性のスタッフに活躍していただく必要がでてきます。
 また、もうひとつ課題を挙げるとしたら、長野と松本にある6つの附属学校園(幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校)が、小さなお子様のいる女性の先生にとってハードルの高い職場になっていますので、長野県教育委員会と協力しながら少しずつ改善したいと考えています。


中島:他の学校から附属に赴任した先生がそこでさらに勉強して地元へ戻り、その成果を生かしていくというシステムですよね。何らかの理由で先生自身が尻込みされるということなのでしょうか。


宮崎:附属学校園への赴任時期としては、30代後半から40代前半が多いのですが、そのキャリアパスに、ちょうど結婚・出産・育児が重なります。女性の先生方にとって人生の大きな節目にあたります。今では、附属学校園の勤務状況が格段に改善されてきました。今後、保育園や幼稚園の送り迎えなどを誰もが気兼ねなく自然にできるようにしたいものです。


中島:普通の小、中学校ですと、当たり前にそうやっている先生も多いのでしょうか。


宮崎:もちろん、いろいろとやり繰りをされています。ですから、附属でもできるようにしたいのです。附属へ赴任される先生方は、「この人は将来、うちの地区を担う人材だから」と長野県各地から選抜され送り出された皆さんです。もちろん女性の先生も推薦されますから,誰もが家庭の事情に左右されることなく赴任できるようにしていきたいですね。


誰もが働きやすい環境のために


宮崎:世代を問わず、特に男性の意識改革がまだ足りていないと思いますので、今後も意識改革を進めていきたいですね。実は、私は大学院時代に、簡単に言うと妻の「ヒモ」でした(笑)。私が仕事に就いた後、今度は彼女が大学院に進学し東京の大学に就職し、長野から毎日通いましたので、平日の食事の準備は私の担当でした。


0520nakashima.JPGのサムネイル画像中島:男女共同参画推進センターが主催する「人生100年時代のキャリアビジョン」という講義があります。教育学部の高崎先生の授業「料理とジェンダー」で"男子厨房に入らず"という言葉を知っていますかと聞いたら、去年の学生のほぼ全員が知らなかったんです。


宮崎:そうですか! すばらしい。そんな時代が来たんですね。


中島:今の若い人たちは違うんだなと思いましたね。


宮崎:私は、初めは自分自身が変わるのに苦労しました。自分が台所に入って料理していることを父はきっとよく思わないだろうと思うと、なかなか乗り越えられませんでした。でも、そんなこと言っても足元でピーピー泣いている子どもがいる。家事をやらないわけにはいかないからやるようになったのですが(笑)。


中島:私の母は中学教員でした。父はサラリーマンで海外赴任もあり、ほとんど母子家庭のような状態で、家庭のことは全部母がしていました。母は宮崎先生とは逆で、職場で役割の分担を軽くしてもらうなどの配慮があったようです。なので、時間に余裕ができてからは、大変な方のカバーをするのも仕事だと言っていました。社会でも今言われていますが、余裕がない人を余裕がある人がカバーするように、社会全体でならないといけないと思いますね。


宮崎:家庭だけの責任ではありませんからね。職場の仕組みや、あるいは支え合いが大切です。このことを,学校現場では、よく「同僚性」と呼びます。


中島:同僚性とは何でしょうか?


宮崎:学校の現場では当たり前のように、弱い立場にいる人を余裕がある人が支えて、みんなで前に進もうとします。毎日ひとつの職員室に集まって、家族のように過ごしているからできるのかもしれません。このような「同僚性」が大学にも必要になってきているのではないかと思うことがあります。


中島:そうかもしれないですね。


宮崎:イギリスの教員養成学部をよく訪れるのですが、その大学では個人用の研究室はありません。


中島:そうなんですか?


宮崎:研究を主目的とする大学は別ですが、教育を主目的とする大学ですと、大きな教員室とミーティングルームがあるだけです。日本の大学では、教員の置かれている環境が、同僚性という支え合いの構造を弱らせているように感じます。



学生へのメッセージ


0520kyouiku.JPGのサムネイル画像宮崎:教育学部の様子をみていると、女子学生のほうがキャリアがはっきりしているように感じます。教員になるという目的に対して自らプランニングして実行するし、自分は今、何をしないといけなくて、日頃から何に気をつけないといけないかを、よく考えていますね。
 地方国立大学の教育学部は、教員養成をミッションとしていますので、そういう意味では、学生が自分のキャリアをしっかり形作れるようにしてあげたいと思っています。新入生ガイダンスでは、どのくらい産休、育休がとれるかを紹介しました。実際、お子さんが3人いる私の教え子は、トータルで9年間の産休・育休を取って職場に復帰しました。


中島:今、教育現場の長時間労働などの問題が日々報道されていますが、学生が不安を抱いたりしないでしょうか。


宮崎:報道の影響もあってか、改善に向かって大きく前進していると思います。今、長野県に限らず、どの都道府県でも教職員の働き方改革が推進されていて、先生にしかできない業務に教員の仕事を絞り込もうとしているところです。実際,通学路にある交差点での立ち当番や、土日開催の地域行事への参加義務とか、そういったものを業務から外そうとされています。これから職場環境はだいぶ改善されていくと思います。
 若い世代が築く社会は、これから始まります。自分が育った環境やこれまでの経験に縛られないようにしてほしいですね。二十歳前後なら、まだまだ変われます。イクメンとかね。


中島:そうですね。そういう言葉が広まることも大切なのかもしれません。


宮崎:よい言葉がプロパガンダのように広がっていけば、それが若者のモデルになります。家事をするのはもちろん、保育園の送り迎えをしたり、おしめを換えたりすることが父親としての自然な姿になってきていますよね。これからの世代に期待したいと思います。


中島:そのとおりですね。本日はありがとうございました。


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