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2019.06.26 【インタビュー

【医学部】中山 淳 医学部長

今年度新たに医学部長に就任された中山淳学部長に中島美帆センター長がインタビューをしました。


[医学部における男女共同参画の現状と課題]


中島:医学部長へのご就任、おめでとうございます。
 本学では、それぞれの学部で共通の問題もあれば異なる問題もたくさんあると思います。特に医学部は、病院で働く方もいれば研究がメインの方もおり、また教育面では医学科と保健学科という大きく違う分野の2つの学科を含んでいることなどから考えても特有の問題意識があるのではないかと思いますが、男女共同参画の現状や課題についてどのようにとらえていらっしゃいますか。


IMG_8797 (3).JPG中山:まず、医学部の教員を採用する際には、もちろん業績が一番の評価対象となるので性別のみで優先的に採用することはありません。しかし、医学・医療分野において指導的立場にある女性の比率がもっと上がらなければ、日本の医学・医療の発展は厳しいのではと危惧しています。実際に医学部の募集要項には「信州大学は男女共同参画を推進しており、業績等(研究業績、教育業績、社会的貢献ほか)及び人物の評価において同等と認められた場合には女性を採用します。ただし、これは性別のみで優先的に採用することを認めるものではありません」と明記してあります。


 医学部、特に医学科はまだまだ女性教員の少ない学部であることは確かです。しかし、最近、女性の教授が3名選出され、活躍されています。私が学生だった頃には女性教授を見たことがありませんでしたので大きな進歩です。現在、医学科における女性教員の比率は20%と十分ではありませんが、女子学生にとって教育、研究、診療で活躍しておられる女性教員は良いロールモデルになっていると思っております。一方、保健学科は男性57%、女性43%であり、医学科と比較すると女性教員の比率は高いですが、それぞれ50%がちょうど良い比率だと思っておりますので、まだ足りてはいません。


中島:実際に少数派の立場を経験したことがない人にはわかりにくいことかもしれませんけれIMG_8808 (3).JPGども、身近なロールモデルは非常に大切だと思います。私自身の経験として、専門の研究分野(物理学)に女性が少なく、学生時代も教員になってからもロールモデルがほぼいない状態でここまで来たのですが、この男女共同参画推進センターの運営委員会に関わるようになり、専門は違えど自分より数歳から数10歳年上の女性教員と接する機会に初めて恵まれて、何気ない会話や、ちょっとした悩みを話すということだけでも、同性の先輩がいることがとても心強いということを再認識しました。特に学生時代には、素晴らしい1人のロールモデルよりも身近なロールモデルが複数いるほうがさまざまな可能性を考える上で有効だと思います。できれば各年代でそういう方がいる環境が理想ですね。
 職員の働き方についてはいかがでしょうか。


中山:法人化に伴う人件費削減に始まり、限られた人員の中で一層高まる社会のニーズに応えていかなければならないという状況です。ですので、業務を取捨選択していかなければなりません。やらなくて良いことなどもちろんないのですが、優先順位をつけるということですね。会議をなるべく減らし、メール審議で済むならそうします。4月に就任したばかりですので、まだこれからというところではありますが、会議等で時間をとられるのではなく、本務にしっかり時間をかけてもらえるように変えていきたいと考えています。


 男女共同参画の観点から改善すべき点としては、例えば男性の育児休業がまだまだ取りにくい状況があるかと思いますので、全体の意識を変えていく必要があるかと思います。また、私どもの研究室には現在、11名が在籍していますが、うち5名は女性で子育て中の方もいます。細かいことですが、実験の講習会の開始時間が16時半だとか言われてしまうと参加が難しい場合もあり、開始時間を少し早めていただくとありがたいです。それと、お子さんが急病のときに時間単位で取得できる「子の看護休暇」は良い制度ですが、取得できる時間が5日の範囲内という限度があります。しかし、お子さんの急病に待ったはありません。今すぐ、これらの全てに対応することは難しいと思われますが、働いている方たちの生の声を拾い上げて改善していくということは、医学部だけでなく大学全体としても非常に重要だと考えています。


中島:細かいことだとおっしゃいましたが、どんなに小さなことでもぜひ当センターにご連絡いただければと思います。センターには人事権も決定権もありませんが、男女共同参画推進センターとして要望を出すことはできます。そういった要望を出したことで学内の規程が比較的スムーズに変更されたという例も過去にありますので、ぜひ小さい声でも上げていただければ、私たちもそれを力に大きな声にして、より良い環境づくりのために活動していきたいと思います。


[学生へのメッセージ]


中山:当然のことですが、医療は、医師、歯科医師、看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、薬剤師など、その領域において高い専門性を有する医療者と共にチームで行うものです。従って、学生には知識や技術はもちろんのこと、コミュニケーション能力もしっかり身につけられるような教育カリキュラムを組んでいます。たとえば1年時に行う「新入生ゼミナール」では、医学科と保健学科の学生が合同でグループワークを行い、チーム医療の重要性を学びます。医師は医療行為をするだけではなく、ともに働くチームの思いをくみ取り、円滑に業務が運ぶようにする必要があります。コミュニケーション能力が低かったり、態度に問題があったりすると、チームが機能しないだけではなく患者様にも治療の意図を伝えることができません。優秀な医療人として成長してもらうために、知識レベルだけではない全人的な医学教育を実践しています。


中島:ダイバーシティという側面から見ても、コミュニケーション能力は非常に重要だと思います。それを若いうちからしっかり学べるというわけですね。しかも、若者はこちらが思うより柔軟ですから、有効な方法だと思います。
 男女共同参画推進センター運営委員会が主催する全学教育機構の講義があります。「人生100年時代のキャリアビジョン」と題してオムニバス形式で毎回違う先生をお迎えし、ジェンダーやワークライフバランス、LGBTなどについてさまざまな観点から講義をしていただいているのですが、NPO法人SHIP代表の星野慎二先生によるセクシュアルマイノリティに関する講義を医学部の1年生が聴講しに来てくれました。とても熱心に聞いてくれたようで、アンケートに「将来医療に携わる身として聞いておくべき話だった」としっかりコメントをくれました。


中山:それは非常によい機会ですね。


中島:教育学部と同様、医学部は医師や看護師など専門職の養成という意味合いの強い学部ですね。医師として専門を選ぶ際に性別が影響することがあると聞いたことがあるのですが、そういったことは実際にあるのでしょうか。


中山:確かに、外科は夜間に緊急手術があるなど勤務時間によって生活がある程度縛られてしまうせいか、統計によりますと女性の医師は全国的に見ても少ないと言えます。逆に皮膚科、小児科、産婦人科などには女性が多いようです。女性にとって働きやすい環境にある科には、女性が多いということかと思います。現在は大学を卒業した後に研修制度があり、2年間さまざまな科を回ってから専門を決めることが多いので、女性だから〇〇科、というようなことはあまりないと思います。私自身も学生時代は内科を目指していたのですが、研修医時代の経験から病理を選ぶことになりました。


 医学部においては、男女共同参画はもちろんのこと、多様性を尊重し、皆が働きやすく、能力を発揮できる環境を整えることが非常に重要だと考えています。医療は、皆がよりよく生きていくために欠かせません。学生には、未来を担う医療人として知識・技術に加えて十分なコミュニケーション能力と、高い倫理観を身につけてほしいと思っています。


中島:まったくそのとおりだと思います。
本日はありがとうございました。



令和元年6月11日 収録

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