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2017.06.01 【インタビュー

【医学部附属病院】本田孝行病院長

平成29年4月18日(火)


信州大学附属病院・本田病院長に坂口センター長がインタビューしました。


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坂口センター長:病院長ご就任おめでとうございます。病院長としての立場で、信州大学病院における男女共同参画の実態、また男女共同参画の推進・ワークライフバランスについてお考えをお聞かせください。


---病院の現状について---


本田病院長:基本的に、病院というところは女性の比率が高いところです。病院のシステム自体、以前から看護師さんを主体とし、女性が多いことからも、ある程度女性が働きやすいと言えるのではないでしょうか。看護師さん以外にも「メディカルスタッフ」といって薬剤師・レントゲン技師・放射線技師・臨床検査技師・リハビリの方などいますけども、やはりどの比率を見ましても「医師」を除いては女性が多い部門になっております。


ただ、医師に関しましては現在、助教以上の医師というのは女性が28人、男性が110人。138人中28人女性となり、おおまかにいうと3割を少し切るくらいの状況ですが、今の医師の比率をみるとそんなものなのかな、というような感じを受けますので、病院で働いていただいている女性の人数も、今の比率と変わりはないですので、普通のように働いていただいているのではないかなと思います。


私が在籍している検査部においても女性が半数以上を占めます。50人くらい職員がいるんですけども、女性は半分ちょっと。二人から三人くらいは常に休暇を取られています。復帰後もそのまま仕事に就かれている人も多いので、割と病院全体としては女性の方々に働きやすい職場になっているのではないかと思います。男性職員の中にもこどもの入学式や卒業式に休暇を取って出かける方がおられます。子どもさんのライフイベントに出ることについて男女問わず、行いやすい土壌ができつつあるように思います。


一番大きい問題は「育児や介護」になると思うのですが、基本的にはそのサポートとしまして、学内に保育園があり、病後児保育は院内に4床持っていますので、そういう面では、女性・男性ともに働きやすい職場になっているのではないかと私自身は思っています。


---課題について---


病院には「必ずこの時間はいなくてはいけない」ということがあります。患者さんの容態が悪くなった時などがこれにあたります。基本的にはチームでやりくりしているが、どうしても必要な時に、夫婦で働いておられれば、どちらかは家庭にいなければいけないということがありますので、その対応が難しいです。どういったサポートができるかということが課題となりますが、まだまだ難しく、対応できていないところです。


また、急に何かが起きた場合、病児を抱えている場合にどうするか、病児保育はやっておりませんので。あと、学会に行きたいけどもこの時だけは一晩中預かってもらうといったことはできませんので、そういったところは欠けていると思いますが、そこらはまだご夫婦にお任せしているというようなところはあるのではないかな、と思います。


坂口センター長:先ほど、育休などは取れているのではないか、ということでしたが代替えの職員は見つけやすいものでしょうか。


本田病院長:看護師さんの場合、初めから予想の数は多めに雇っています。今育児休業に入られている看護師さんの数が57名、産前産後の休暇が7名いらっしゃいます。看護師さんの数が841名ですので10%弱が休暇を取られていますので、数としては年々増えていっていると思います。ですので、働きながら子供を育てるということが病院の中では定着しつつあるのではないでしょうか。雇う側から考えてみますと大変な面はありますが。


坂口センター長:そうですね。子どもさんがいらっしゃれば今までやっていた夜勤がしばらくできなくなったり、育児休業を取られる年代の、経験を積んだ看護師が抜けて昼間しか働けないことになると病棟からきついとか、そういう声が出るのではないですか。


本田病院長:そのとおりです。今育児のために時間短縮で働いておられる方が25名いますし、時間外勤務の免除が3名、時間外勤務の制限が6名、深夜勤務の制限が18名いますので、そういう方々が多くなってきていることになります。


坂口センター長:いろいろな方にとってはたらきやすい方法を考えて、それを認めながらすすめていくということですね?


本田病院長:はい。対応はしていますが、やはり「夜勤をしてもらわないと困る」ということで、それはそれなりにお願いしていく形になっているのですが、昼間だけとか短時間といったことには応じられているのではないでしょうか。


坂口センター長:医学部というと、医師の先生を見たときに、ワークライフバランスをとることが大変厳しいと思うのですが、病院長の立場で考えていらっしゃる取り組みなどはありますか。


本田病院長:医師は裁量労働制といって、自分なりに業務を組むことができます。つまり残業もつかないけども割と自由にできる勤務体制になっています。ただ、条件としては患者さんがいますのでチームを組んでちゃんと「この時はONになる、この時はOFFになる」ということをしっかり分けないと、ずっとまんべんなく患者さんを診るというのは大変です。「チーム医療」というのがありますが、医師の中だけでもチームを組んで患者さんを診る、そういうふうにしておかない限りは、なかなか難しいです。


あともう一つ、医師の特徴的なところなんですけども、医療が趣味だ、研究が趣味だという人が多い。ほかの学部だと研究をお仕事とされている方が多い。僕らはこういう言い方をしては申し訳ないが、診療が主体で、研究が趣味ということになって、義務でやっているわけではないと。大学ですのである程度は研究をやる義務はあるのですが、診療とは離れた考え方があって、やる方とやらない方があるのではないかと。


みなさん診療は仕事で、研究を仕事だという風に考えられるとワークライフバランスは悪いのではないかと考えられるが、趣味でやっておられる方も結構いらっしゃるのではないかと思います。ですので、そういう意味ではわれわれは自分で自分の生活を組み立てていくということはかなりできるのではないかと考えています。そういうことを推進していけば、やりたい人はやるし、やりたくない人はやらないという感じになるのではないかと思います。自分も半分そういう風に生活してきたなと思いますので。


ですから女性も「チーム医療」さえしっかりしていれば、「ここは空く、ここは時間が取れる、自分がやる」という風になれば、それなりに自分のワークライフバランスはきれいに取れるのではないか。決して長い時間働いていればいい、というものではないと思います。


---今後の取り組みについて---


 


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坂口センター長:以前、この病院に外来棟ができました時に、朝ご飯を食べずに診療に行くのではなく、食事して仕事を始められるようにとソレイユや売店で朝七時から食べられるようにしたと聞いたことがあります。そういう具体的なサポートが大事だと思うのですが、全体を見たときの課題として、この部分は何かできるのではと考えていらっしゃることがあればお聞かせください。


 


本田病院長:今、医師には裁量権があって、メディカルスタッフに関するとあまり自由度がないんですね。どちらかというとこの時間までは働かなきゃいけないとか、医師がこの時間働いているから働かなきゃいけないとか、そういうふうになってしまうんですね。そうでなくて、男女ともになんですけども、大学で医師と同じように好きなことができるような時間を、メディカルスタッフの方たちがステップアップできるような時間を与えてあげることが僕は一番重要なことではないかと思います。


例を挙げますと、看護師さんたちの勤務体制ってすごく長いですよね。朝八時半からといっても七時ころにやってきて、夜は七時八時まで病棟にいらっしゃいますよね。あれを見てますと、僕の感覚でいくと、強制的にというか管理されながら働いているっていう感じになるんですよね。そうではなくて、時間内の働きと、時間外ならば病棟から少し離れたところに自分の仕事ができるようなスペースがあり、自由にコーヒーでも飲みながら働ける。患者さんの記録を書いたり、看護学とか検査学とかを学んだりといったことを、病棟から離れたところですることができれば、かなりいろんな意味でいいことではないかなと思います。


これは男女関係なく、自分で何かできる、自分の裁量の下に行える時間というのが、こういうところで働く人には必要なのではないかと思います。


坂口センター長:ナースの数に余裕ができ、自分の時間を自由に使うことができれば、「ここでもうちょっとがんばろう、もっといいものを作ろう」という意欲につながるのかなと思います。


本田病院長:まったく、そう思います。看護師さんたちのパワーはすごく大きいですので、そういうふうに自由に何かをやらせてあげる時間というのが大事です。検査部ではすでに実践していて、仕事は8時半から17時30分までに終わらせて、あとは自分の時間で研究なり何なりしようと。そうすると多くの人たちが研究をするんですよ。別に強制的にやらせているわけではなく、そこに環境があると研究やりたいと、研究をやるとステップアップしたい、という道も開けてくるんですよね。働いているだけではなく、勉強してステップアップしたいと。


 実現は難しいかもしれないが、看護師さんが集まって何かをできる部屋というのが必要なんですね。看護師さんは座る場所って病棟しかないですよね。なので、看護師さんたちが集まって、ディスカッションしながら「看護学」を学びたいのであればそういう環境を提供したいなと思うのですが、場所が・・


坂口センター長:先生、今度病棟が少し空きますよね。ちょっと病棟を離れるって大事に思います。医局は少し離れていて何かあれば先生がバッと飛んでくるというのがあるんですけども、一番多い800人以上いる看護職の中でそういう場を作るといろんなディスカッションができたり、図書がそろっていて勉強できたりというのは素晴らしいと思うので、ぜひ新病棟ができる中で、ある程度の場所を与えようじゃないかとご発言いただければうれしく思います。


本田病院長:女性にもっと働いてもらえるためにはそういう場所が必要だと思っています。


坂口センター長:大変いいお考えを聞かせていただきました。また、看護師の立場からいいますと、出会いの場がないのも看護師なんです。相手がいなくて30歳代の方も多い中で、そういう取り組みはできないものでしょうか。


本田病院長:以前、飲み会の場を設定して、出会いの場を作ったんですが、あれはあまり意味がないですね。それよりもサークル的なものを作っていく、病院の中で英会話の教室とかをやるのは悪くないかもしれない。病院に余裕ができたらそういうものも考えたいですね。


坂口センター長:みんなが働く、快適な環境を与えるという意味でそういうところに着手していただければありがたいと思います。


本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

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