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2017.06.26 【インタビュー

【理学部長】市野隆雄学部長

平成29年4月25日(火)
信州大学理学部・市野学部長に坂口センター長がインタビューしました。

理学部の現状


坂口センター長(以下「坂」):理学部長ご就任おめでとうございます。先生が学部長先生になられて,男女共同参画の推進についてお感じになっていることをお聞かせいただけますか。

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市野理学部長(以下「市」):理学部の全教員63名の中で女性の教員数は5名で最近少し増えつつあります。男性ばかりだと会議の時間もあまり気にせず,夜遅くまでやったりということが行われる傾向があります。しかし,ある男性教員が育児休業を取られて,研究補助者制度も利用されはじめたのと前後して雰囲気が変わってきた学科も実際にありました。すでにそれ以前に会議はなるべく昼休みに開くようにはなってはいたのですが。女性であれ男性であれ,育児や介護などを担っている方が集団の中におられることで,周囲の意識は変わると思います。

坂:すごくうれしい影響・効果かなぁとお聞きしておりました。育休の取得ですが,全体でみますとどうなっていますか?

市:現在,育休をとっておられる女性職員が3名おられます。また研究補助者制度を利用されている女性教員が1名おられます。

坂:理学部において,女性の教員の方が応募してもなかなか採用に至らないことをお聞きするのですが,どのあたりが問題になっているとお考えですか。

市:ある学科での話ですが,助教を募集すると60名以上応募があります。その中で女性の方は10名以下ですね。全体からすると応募数は少ないですね。その中から研究業績等で選抜して数名にしぼって面接します。審議の際にはポジティブアクションも考慮して選考しますが,その学科では学生数でいうと女性の学生もけっこう多いのですが,これまでは女性教員の方が選ばれていない状況です。理学部全体でみると,同じようなプロセスで選考して女性教員が選ばれるケースも増えてきているというのが実態だと思います。

坂:先ほど学生には女性も多いとお聞きしたんですが,その学生たちが社会に出て力をつけて戻ってくる,研究者として戻ってくるためには,何が必要でしょうか。

市:本来は自然科学への興味に性差はなく,自然の不思議を感じる心やワクワクする気持ちは誰にでもあります。実際,理学部の学部生のうち女性が2~3割います。彼女たちが研究者として戻ってくるためには,大学院進学へのあと押しや,ロールモデルとなるような女性研究者との出会いの機会が重要だと思います。今,理学部でも大学院生の数を増やしたいということで大学院進学説明会というのを学部生に対して行っていて,そこには女性の学生もたくさん来てくれ,実際に学部から修士に,あるいは修士から博士に進学する率は女性と男性であまり変わらないです。ただ,性別をとわず修士から博士への進学率はあまり高くありません。研究者への就職がきびしいことが博士課程への進学をためらう一つの理由としてあると思います。

坂:就職を手堅くする学生が多くなっていると感じられているのでしょうか。

市:そうですね。でも私は,研究者になるかならないかは別として少なくとも修士を出ると学部卒とは違う能力が身につくと学生たちに言っています。一つの研究を丸々2年をかけて成し遂げるということは,自分がイニシアチブをとっていろんな情報を集め,分析して,考察して,人と議論して,その中でいろいろなことを判断して決めていかないといけないので,自分の頭で考える力はつくと話しています。一方,研究者を目指すとなると,修士だけでなく博士課程までいかないといけない。修士修了者の1割ほどが博士に進みます。どの時点で社会に巣立つにせよ,男女をとわず,希望がかなえられる方向にむけてのアドバイスはしています。

坂:最近「リケジョ」を増やそうという取り組みがありますように,もう少し若い人たち対象に何かできないかと思っているんですが・・・。

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市:大学に行って理系の勉強をしたいという高校生や中学生の女性を増やすというところにつながるんですよね。それは文科省も熱心に取り組んでいて,理学部もリケジョを目指す女子中高生のための「わたしもサイエンティスト!」という科学教室を文科省からの支援プロジェクトとして始め,夏休みに上高地に行って野外実習をすることで自然を研究する楽しさを伝えたりとか,高校へ出向いて実験室で物理や化学の実験を行ったりしました。もともと理科が好きな中学生・高校生に対して,そういう取り組みは行ってきています。


坂:女性だけではなく男性も理系分野に興味をもってもらいたいという視点も大事になってきているということですね。

市:県の教育委員会がやっているプロジェクトで,高校生向けの科学オリンピアン養成講座というのがあり,理学部はこれに協力しています。高校生が化学や物理の講座を受けて,大学の雰囲気を味わって,「あぁ,やっぱり理学部へ進学しよう,この先生につこう」みたいな気持ちになってくれればいいと思います。あと一番大きいのはオープンキャンパスですね。

坂:オープンキャンパスに来てもらうための工夫はされていますか?

市:模擬講義を聴講したり,懇談会で先輩の理学部生に質問したり,大学生活の実際の様子を聞いたり,あと研究室を回って実際の研究をしている場を見たり。ありきたりのことですけど,オープンキャンパスに来て入学してくれる人は多いので効果はあると思います。あとは小中学生などに向けては,夏休みに理学部で土日の2日間,「自然のおどろき」シリーズをやっています。これは「自然のさえずり」など,年ごとに別の名前をつけて自然科学の面白さ・楽しさを市民の方々に知っていただくためのイベントで,10年以上前から毎年やっています。理学部の学生さんや教員がブースを40以上開いて,そこで実験したり,工作でものを作ったり,おどろくような写真や標本を展示したり,楽しいアクティビティを用意してやってます。それは数百人から千人以上の一般の方が来られるイベントです。

坂:リケジョだけでなく,広く「自然科学」という分野に興味持ってもらいたい,という取り組みを早くからやられているということをお聞きしてすごいなと思います。

市:そうですね。理学部は理系の楽しさを伝えることを一つの社会貢献と考え,ずっとやっていますね。

坂:ワーク・ライフ・バランスを踏まえて,働きやすい職場を考えるときに,改善していきたいところなどありますか?

市:事務系では育児休業の取得が当たり前になってきています。それはいい傾向だし,そのまま維持していきたい。大学全体としてもそういう方針ですよね?

坂:そうですね。

市:育児休業をとって仕事を一時期休まれるということは,ほかの人の仕事が増えていくので大変ではありますが,事務長さんを中心にその支援体制を構築しているので,それはさらに推進していくべきだと思っています。教員に関しては研究者補助制度を使っていってほしいのですが,希望者も多いみたいですね。広報的なところはどういう風にされているんですか。お子さんが生まれた方には個別に連絡はされるんですか。

坂:現在は個別連絡ではなく,部局の庶務担当の方からメールで教員に募集通知をお願いしている形で広報しています。私は学部内でお子さんが生まれた方がいると声掛けしています。これからは介護のための利用も増えていくと考えています。先生もぜひそういう方がいたら声掛けしてください。

市:教授会等でアナウンスしますね。


坂:ご協力お願いします。今日は貴重なお時間いただき,ありがとうございました。
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