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《開催報告》アクア・イノベーション拠点第6回シンポジウムを開催 2018年12月21日

アクア・イノベーション拠点が主催する第6回シンポジウムが2018年12月21日にイイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区)で開催され、水・膜関係者ら220名が参加しました。
昨年度に続き東京での開催となった今回のシンポジウムは、社会実装に向けたフェーズ3を目前に控え、これまでの6年間の研究開発の進捗状況の確認に加えて、さらなる研究加速のため様々な分野との連携についての議論も一つの目的として行われました。
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 濱田州博学長の開会挨拶に続き、来賓として文部科学省科学技術・学術政策局の松尾泰樹局長とCOIストリームビジョン3ビジョナリリーダーの佐藤順一氏からお言葉をいただきました。
 第一部研究開発の概況報告では、初めに都築浩一プロジェクトリーダー(PL)からCOI拠点の最新の研究成果と、来年度から始まる海水淡水化の実証プラントについて報告がありました。
続いて研究リーダー(RL)の遠藤守信特別特任教授、理化学研究所の前田瑞夫氏、サブ研究リーダーの手嶋勝弥教授と木村睦教授の成果発表に続き、今年度から始まったタンザニアでの水のフッ素汚染調査について中屋眞司教授から報告がありました。
また、COI-S研究リーダーの高橋桂子氏(海洋研究開発機構)からは水循環メカニズムの解明における膜利用を踏まえた協力体制について問題提起がなされました。

 ポスターセッションをはさみ行われた第二部では、これから社会実装していく海水淡水化についての歴史と現状を再確認し、日本での水問題への連携という観点で、招待講演が行われました。
三菱重工業で長く海水淡水化事業に従事してきた岩橋英夫氏(三菱商事株式会社/日本脱塩協会会長)からは「海水淡水化の現況と今後」と題し、ビジネス及び技術の現況、今後の動向について、具体的な数値や例を示しながらご講演頂きました。
また、水の安全・衛生評価の第一人者である京都大学大学院工学研究科の田中宏明教授からは、「水の再利用―広がる役割と課題」と題して、世界的な水不足と汚染を踏まえた水の再利用の重要性と将来性について、貴重なお話を伺いました。

 続く第三部は「新しい分離膜の水処理・社会実装への期待」と題したパネルディスカッションが行われました。
パネリストは招待講演者の岩橋氏、田中教授のほか、造水分野から造水促進センター専務理事の大熊那夫紀氏、食品分野から農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門長の鍋谷浩志氏、COI拠点から東レ株式会社の辺見昌弘サブプロジェクトリーダー(SPL)の計5名が登壇しました。
各パネリストからのテーマに沿った発表に続き、モデレータの上田新次郎エグゼクティブアドバイザーからも各人により具体的な質疑がなされるなど、活発な議論が展開されました。

当日配布された予稿集はこちらからダウンロードいただけます。
第6回シンポジウム予稿集