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「社会実装を考える前に、どの社会的課題に貢献するかを明確に」 COI-Sの第2回シンポジウムを東京で開催

アクア・イノベーション拠点(COI)と連携するCOI-S拠点「『水』大循環をベースとして持続的な『水・人間環境』構築拠点」の第2回シンポジウムが3月24日、およそ120人が出席し、東京都千代田区の秋葉原UDXシアターで開かれました。

COI-Sプロジェクトリーダーでソニーコンピュータサイエンス研究所エグゼクティブアドバイザー・ファウンダーの所眞理雄氏は、「これまで大気、海洋に、地中も含めた水の大循環と人間活動を加味した連成シミュレーションの開発と、その機能チェックを行ってきたが、昨年からはこれをどう社会実装するかという課題に取り組んでいる」などと現状を報告しました。

JSTのビジョン3ビジョナリーチームメンバーで元会津大学学長の池上徹彦氏の来賓あいさつに続き、基調講演した水道技術研究センター理事長の大垣眞一郎氏は、自らが研究総括を務めていたJSTの戦略的創造研究推進事業(CREST)「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」領域の17研究課題について整理したうえで、「社会実装を考えるなら、どの社会的課題に貢献するのかを明らかにする必要がある」とし、COI-Sで開発された水循環モデルに組み込まれていない諸課題として、ウィルス、細菌、原虫などの病原微生物の混入▽水質に影響を与える微生物の増殖▽原水の量的・質的変化への対応▽ネットワークシステムとしての上水道をどのように構築するか▽災害・事故へのシステム対応▽合理的な水処理と技術――を挙げました。

プロジェクトサイドからは、COI-S研究リーダーの高橋桂子氏が最新の研究進ちょく状況について報告。中央大学教授の石川幹子氏も、神田川流域を対象とし、高度経済成長期に失われた身近な水環境の再生と、生物多様性の回復を提言することを柱に、都市計画の分野で首都圏の水環境再生計画に貢献していく姿勢を示しました。また、信州大COIプロジェクトリーダーの上田新次郎氏も、信州大を中心に行われている、ナノカーボンを用いた革新的な逆浸透(RO)膜の研究について報告しました。

パネルディスカッションでは、高橋氏、石川氏などのプロジェクトメンバーに加え、大垣氏、リバーフロント研究所技術参与の土屋信行氏ら6人が登壇し、所氏の司会で、連成シミュレーションの社会実装のあり方や今後への期待について議論しました。

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